2012年1月27日金曜日

小崖1によって截頭される谷津

次の図は旧版1万分の1地形図に横戸川、宇那谷川の谷筋線を入れたものです。

旧版1万分の1地形図による谷筋線
ピンク網は27.5m等高線以高地域
青は凹地等高線で囲まれた地域
橙色線は小崖1
ABは断面図設定線

この谷筋線図をカシミール3Dによって現在の地形(5mメッシュ)により3D表現してみました。

谷筋線図の3D表現

この図から小崖1によって横戸1~4の各谷津が截頭され(切られ)ていることがわかります。
また、それより上流部の谷津(手前側)は横戸1、2、3では東京湾側流域に編入したような様相を呈しています。
しかし、横戸1、2、3の谷津と東京湾側水系の谷頭浸食部との間には急崖(段差)があります。
このことから、小崖1から東京湾側水系谷頭浸食部までの谷筋は、谷筋形成時の流向(南→北、図では手前→奥)が、小崖1ができた後に逆転した珍しい地形となっていることがわかります。

横戸4は現在でも谷津地形を残し、必ずしも東京湾側流域に編入されていない独立した凹地になっています。これも珍しい現象です。
近くの東京湾側水系の深い浸食谷から横戸4を見ると、尾根(台地)上に谷津があるように見ることもできて、そのように意識すれば、地形の逆転と捉えることもできます。

小崖1に沿って断面図を作りました。

小崖1に沿う地形断面図

これによると、横戸1→横戸2、3→横戸5、6→横戸4の順に谷底の標高が低くなり、横戸4が横戸川の本川筋であったと考えることが妥当だと考えました。
小崖1から南側の谷地形の明瞭さもこの順番になっているように観察できます。
偶然だと思いますが、横戸川の本川筋と想定した横戸4の谷筋が最も南まで追跡できます。

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