2012年11月27日火曜日

ゴルフ場に隣接する花見川河川敷内トーチカについて考える 中

 トーチカに関する見立て

このブログは、度々申し上げているように、調べて得た結論(成果)を発表する場ではなく、興味を持って調べている行為や思考プロセスを実況中継している場です。
そういう観点から、問題のトーチカについて私が考えている見立てを、(結果として正しいかどうかは保証できませんが)、書いてみます。
後日、ここで書いたことが正しければ自分の思考に自信を持てますし、間違っていれば貴重な学習体験になります。

 ●見立て1 【このトーチカは本土決戦における米軍侵攻阻止の防御ラインの一環としてつくられた。】
九十九里浜に上陸した米軍が首都圏に侵攻するメインルートの防御は、大本営は、当然のことながらそれなりの作戦を考えていたと思います。
一方、米軍侵攻のメインルートから外れた軽便鉄道架橋地点について、大本営はトーチカを建設して極小兵力で防御することとし、作戦立案のなかで位置付けた(そしてそれ以上の思考を省略した)のだと思います。
大本営は、上陸米軍戦車部隊などの本体とは、成田街道なり東金街道なりのどこかで対峙迎撃殲滅すると考えたのだと思います。
一方、上陸米軍の支隊が軽便鉄道架橋付近に来たらトーチカに配置した極小部隊で対応して、最後は自ら橋を落として玉砕して侵攻米軍の速度を落とす。ということだと思います。
トーチカの意義は極小部隊(10名程度?)で花見川堀割部においては侵攻米軍を通過させない(軽便鉄道橋梁は利用させいない)ということにあったと思います。

トーチカのすぐ近くで確認した軽便鉄道橋台
橋台の上に立ち真下を写した写真
(私の足が写っています)

トーチカと軽便鉄道橋脚の位置関係

トーチカ付近から見た東岸
横戸緑地と花見川サイクリング道路を結ぶ私製階段が見えます

 (つづく)  

4 件のコメント:

  1. 海老川乱歩です。

    なるほど、九十九里浜から米軍が上陸して東金街道を西進し、広尾十字路付近で分断させて
    マラソン道路から軍都習志野に米軍を大挙侵入させないという作戦ですね。
    分断作戦の為に、広尾十字路付近で線路をわざと分岐させてのでしょうか。
    (小生の高校の歴史の先生の父親が九十九里浜近くに住んでいて、
    歴史の先生の父親曰く、「終戦頃に九十九里浜から米軍が上陸してきて本土決戦になったら大変だと」
    歴史の先生が授業中おっしゃっていたのを覚えています)

    小生が11歳のとき(1979/S54)、横戸の戸建て団地付近のサイクリングロードで
    地元の60代くらいの方に話を聞いたことがあるのですが、
    横戸付近も昔は「習志野平野」と言っていたそうです。
    花見川の谷とかもあって凸凹なのに「平野」なんですかと尋ねたところ、
    空から見れば「平に見えるんだっ!」と言っていたのをよく覚えています。
    そのときは、違和感があり受け入れられませんでした。
    (千葉市のはずれですぐ近くは八千代市なのになんで「習志野」なんだと・・・。
    船橋市には習志野と付く飛び地ではない地名が実際にあり紛らわしい。)
    この戦争遺跡を知って横戸付近も「習志野平野」だという事を違和感なく
    受け入れられるような気がします。

    永久堡塁も残っていませんし、戦争時代の建造物は「支那囲壁砲台跡」くらいしか
    残っていないと思われますので、これは明らかに「円墳」、「捨て土土手」と並んで
    軍都習志野と花見川の歴史遺産だと思います。
    (支那囲壁砲台跡:習志野四中の近く(北東)にあるらしい。小生は現場確認していません。
    近くのマラソン道路を何度も自転車で通っていたのに全然知りませんでした。(>_<)
    個人宅なので住所の掲載は差し控えます。ネットで検索すればヒットします。)
    「支那囲壁砲台跡」と「ゴルフ場の崖のトーチカ」の銃眼口とコンクリートの質感が
    似ているように見えます。
    「支那囲壁砲台跡」は、WEBの情報では国登録有形文化財らしいです。

    ゴルフ場の崖のトーチカが残った理由を考えてみました
    ・人目に付かない
    ・草木に覆われている
    ・現場まで殆ど誰も近づけない
     川沿いの崖(永久堡塁も台地と谷の崖を利用したらしい)
     ゴルフ場の脇の崖
     名門ゴルフ場が幾度の不況を乗り越え倒産せず存続している
    ・千葉市と八千代市の堺に近く行政が開発(整備)したがらない
     →民間の開発もしづらくなる
     (横戸の方は戸建ての家が立ち並んでいるので、ゴルフ場の存在が大きい?
     田畑の場合跡継ぎをしなければ、相続のタイミングで開発される確率が高くなる。)

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  2. 海老川乱歩さん コメントありがとうございます。

    印旛沼堀割普請土木遺構の記事について海老川乱歩さんが軽便鉄道についてコメントしていただき、その橋脚の存否について寄り道議論をしていたらいつの間にやら橋脚(正確には橋台)を発見しただけではなく、その近くにトーチカらしき銃眼口のある構造物を発見してしまいました。
    トーチカと考える構造物は調査すればその正体はわかるという性格の対象ですから、海老川乱歩さんと一緒に予備調査をしたいと思っています。
    海老川乱歩さんのコメントに感謝します。

    なお、話は大きく飛びますが、以前海老川乱歩さんに指摘していただいた芦太川谷津の水平ずれ(花見川、作新台、柏井町、八千代市八千代台南2丁目の境付近)については、「世紀の大発見」は大げさかもしれませんが、千葉市や八千代市レベルとしては「今年の大発見」程度の価値がある対象地物だと思っています。
    50mという大きな水平移動と、地形的崖を残すような垂直移動を伴う活断層であると見立てています。その(準備)調査方法をどうするのか、考えています。専門家や行政に活断層の存在を知らせて、本格的学術調査をさせるに足る情報までを作りたいと思っています。
    トーチカのようにすぐに取り掛かるには巨大すぎる対象ですが、こちらの方も海老川乱歩さんのコメントから発出したテーマですので、よろしくお願いします。

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  3. 海老川乱歩 さん

    トーチカの予備調査の条件が整いました。
    河川管理者から草刈りの許可、下水道管理者から管理用道路通行の許可をもらいました。

    海老川乱歩さんのご都合(日程)を次の宛先までメールでお知らせください。

    arakiあ246.ne.jp
    「あ」を「@」に差し替え

    午後1時から3時ごろまでの時間を考えています。

    日程が決まったら他の方にも呼びかけてささやかな戦争遺跡予備調査を実施したいと思っています。

    よろしくお願いします。

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  4. 海老川乱歩です。


    ふと思いついたのですが、ゴルフ場の崖にトーチカがあるならば、
    昔は花見川大橋の所にもトーチカが在ったのでしょうか。
    (今は見当たりませんが)

    ■小崖2の懸念事項を列挙します。
     小崖2は、東から「東関東自動車道」、「国道16号線」、「柏井浄水場」、「京成本線」を横切っているので
     動いた場合重大な被害が発生します。

    ・柏井浄水場は、一部の敷地が引っ掛かっていますが、小崖2のほぼ真上と表現してもいいくらいの立地です。
     移転させるべきと思います。
     花見川団地をはじめ被害がでる件数は莫大な数となる事が推定されます。
     小生が住んでいる船橋市も柏井浄水場から給水を受けていますので、
     柏井浄水場が被災し被害が出ればたいへんな事になります。
     船橋市は、柏井浄水場を含め3つの施設から給水されていますので柏井浄水場に被害が出ると
     単純に1/3の飲料水が供給されなくなります。
     もし仮に柏井浄水場から60%の給水を受けて、残り40%を他の2施設から給水を受けているとなると
     事態はより深刻なことになります。千葉市だけの問題ではなく近隣市にも影響が出ます。

    ・日本は地震大国、断層銀座なので断層を横切らないで鉄道や道路を通すことは不可能です。
     しかし、事前に把握し対策を施しておけば、被害を最小限にできるのではないでしょうか。
     「東関東自動車道」を管理する東日本高速道路株式会社、「国道16号線」を管理する国、
     「柏井浄水場」を管理する県、「京成本線」の事業者京成電鉄は小崖2の存在を把握しているのでしょうか。

     幸いクーラーさんが行政向け資料を作成して頂いているようなのでお言葉に甘えさせて頂きます。
     貴重なお時間を割いて頂き感謝しております。

    ■断層対策
    ・日本全国の断層を全て見つけ日本全国に断層の観測網を構築する。
     断層の両サイドにGPS観測機を設置し、水平方向と垂直方向の移動距離を常に観測し、
     平常値より大きな移動量を観測したら自動的にアラームを発生させる等。

    ・先週のタモリ倶楽部を見ましたが、神奈川県の三浦半島の断層が走る線上は公園にしていました。
     当然断層の真上に建物を建てるのはNGですし、できるだけ建物は遠ざけたいですね。

    ■地震学者は、日本全国の全ての断層を把握しているのでしょうか
     阪神淡路大震災、東日本巨大地震、秋田沖地震、奥尻地震、新潟地震といい
     地震学者がノーマークのところばかりに被害が大きい地震が発生しているように感じます。
     (いままでは東海地震1点に注目が集まっていたように思います。
     今は、首都直下と東南海,南海トラフ?)

     崖や横ずれとなっている断層は航空写真でも分かりますが、土手状に盛り上がる断層が
     最近の航空レーザー測量で見つかっているようですね。
     長野の松本城近くや阪神淡路大震災の被害が大きかったところ等。
     (やはり、小生が以前このブログで指摘したように未確認の断層があったようですね。
     恐らくこれからも発見されると推定されます。
     阪神淡路大震災の場合既知の断層と被害が大きかった箇所が一致しなかったのは、
     被害が大きかったところに土手状に盛り上がる断層の存在を認識していなかったのが
     原因だとテレビで放送していました)
     特に原発や公共施設、鉄道、道路は直ぐに確認して欲しいです。
     予め断層の場所が分かり対策を打っておけば被害を小さくできます。
     2011/03/11の巨大地震で日本全国の地盤の力学的バランスが大きく崩れているので心配です。

    ■福井県大飯原発の疑問
     ずれが数百mだったら地すべりかも知れませんが、数km単位で確認されたら明らかに
     地すべりではなく断層と推定されます。
     素人でもこれくらいは分かるのになぜ「距離」を追わないのでしょうか。

    ■東南海,南海トラフの疑問
     東南海,南海トラフの地震の被害想定が出ましたが、津波被害が想定される地域は高台移転とか
     話が出ているのでしょうか。
     もちろん移転となると莫大な金額や手間になりますので直ぐにできるわけありませんが、
     話が聞こえてこないのが不思議です。
     テレビで見るのは、津波の避難タワーばかりです。
     (小生の親戚は神奈川県の鵠沼海岸に住んでいますが高台移転など聞きませんし、
     どうしようもないのが実情なんでしょうね。
     その気になれば引っ越しくらいはできると思うのですが、あきらめているように感じます。)

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