2013年8月10日土曜日

縄文土器を拾う

今朝の散歩で、2ケ所で縄文土器を拾いました。

1 宮附遺跡
この遺跡は2012.05.13記事「下総下位面(浅い谷)にある宮附遺跡」で紹介しています。
遺跡といっても、送電線鉄塔立替工事のために、鉄塔敷地70m2を調査したもので、土壙1(時期不明9、溝1(時期不明)の遺構が見つかり、縄文土器(加曾利E、堀之内、加曾利B)、土師器(古墳)、陶器、磁器(中・近世)が出土しています。

今朝拾った土器は鉄塔下の敷地表面に露出していたものです。

土器を拾った場所の様子

発掘調査(昭和59年)時に埋め戻した土(実態は砂)に混じっていたものだと思います。

宮附遺跡の地表で拾った土器

2 双子塚古墳近く
双子塚古墳近くは昨年小規模開発があり、天保期印旛沼堀割普請の捨土土手が影響を受けたので、開発業者に罪滅ぼしに土木遺構説明板を立ててもらいました。(2012.11.19記事「「印旛沼堀割普請の土木遺構」説明板の設置経緯と設置場所」参照)
その説明看板のある緑地で縄文土器等を拾いました。

土器を拾った場所の様子(拾った土器を集めている)

拾ったポイントは捨土土手の上ですが、昨年の開発工事で掘り返されていて、捨土土手の下にうずもれていた土器片が地上まで登ってきたものだと思います。

土木遺構説明板近くの地表で拾った縄文土器等、牡蠣殻

土器片の他に牡蠣殻も拾いました。地層に含まれていたものが天保期印旛沼堀割普請で捨土土手としてこの場所に移動したものであるか、古代人が東京湾方面から入手してこの場(住居の場)で捨てた物かは不明です。

3 散歩のレパートリーが広がる
縄文土器等を拾ってみて、厚手のもの薄手のもや、表面が黒いものなど時代の違いや用途の違いを示唆すると思われるような顕著な特徴があります。しかし、その特徴についての知識が全くありません。土器の細かな形式は全くわかりません。
しかし、自分が拾った土器の形式が分かるようになることは、適切な判別資料を入手できればおそらく自分にもある程度できるようになると思いますので、チャレンジしてみようと思いました。
風景や動植物、地形等だけでなく、土器や遺物や貝塚を見つけることも散歩の新たなレパートリーに加えたいと思います。今朝の散歩はその第一歩となりました。

4 酒詰仲男著「貝塚に学ぶ」を読んで貝塚探しを思い立つ
2013.07.16記事「古代花見川地峡の物流証拠<ハマグリ>」を書くために、八千代市立郷土博物館を訪れ、研究員の方に八千代市内の貝塚についていろいろと教えていただきました。その際、次の図書を紹介していただきました。
ア 園生貝塚研究会「貝塚研究 第4号 特集:花見川流域の貝塚」
イ 酒詰仲男著「貝塚に学ぶ」

アの園生貝塚研究会「貝塚研究 第4号 特集:花見川流域の貝塚」を図書館で借りて読んだところ、マニアックな貝塚調査を花見川流域を対象に仔細に行っていて、感動しました。花見川流域という場所を、貝塚という1局面ですが、これほど丹念に調査されている方が世の中にいるということに驚き、そのような調査の詳細性のレベルが大変参考になりました。また、現場調査のイメージが良く伝わってきて、この研究会の調査結果を現場で追認して歩きたくなりました。要するに私の趣味の心を強く刺激する図書でした。

イの酒詰仲男著「貝塚に学ぶ」はWEB通販で入手しました。読み始めると、私が知っている人(※)も登場し、引きずられるように読み切りました。最初は全くの素人であった著者が現場調査の大家になっていく様子がよくわかります。アの図書で貝塚に興味を持ち出した自分にとって、貝塚の現場に誘い出すようなメッセージをこの本から強く受けました。

この本を全部読み終わったのが、今朝の5時です。

読み終わった時、脳裏に、宮附遺跡付近の畑に白い物が散らばっていたような印象を思い出したので、ダメモトで、早速早朝散歩でそこまで出かけました。
結果としては、貝塚は見つからなかったのですが、近くで土器を拾った次第です。
帰りがけの道すがら、双子塚古墳付近でも縄文土器等を拾いました。

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※酒詰仲男著「貝塚に学ぶ」に同僚として何回も出てきて、本の解説も書いている和島誠一先生の「考古学」を大学時代に受講して単位をもらったことを思い出しました。
自分の学部と異なる学部の専門講座であったため、自分の専門の単位の足しにならなかったのですが、大変面白かったことをおぼえています。そのような学生時代の体験を、今、自分の趣味で数十年ぶりに思い出すのも、また面白いことです。
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