2013年12月22日日曜日

印旛沼筋下総下位面の縦断形

花見川流域の小崖地形 その80 (5mメッシュDEM図を読む 19

印旛沼筋の下総下位面の縦断形を2本の縦断線と1本の参考線で見てみました。

1 縦断線位置
縦断線位置は次の通りです。

なお、印旛沼筋地形の検討では断面図に通し番号をふり比較できるようにします。

2013.12.18記事「印旛沼筋下総下位面の類型」で作成したテスト用縦断図ABを断面図1とし、これから作成する断面図(縦断図、横断図)を掲載順に通し番号をつけて、断面図○として表示します。

縦断線位置図
基図は杉原(1970)地形分類図(「千葉県の自然誌本編2」より引用)

縦断線位置図
基図は5mメッシュによる地形段彩図

参考 縦断線位置図
基図は標準地図(電子国土ポータルによる)

2 縦断図
縦断図は次の通りです。

断面2

断面3

断面4
この断面は現在の印旛沼水系沖積面の標高の傾向を知るために、河川堤防裏すぐの沖積地を通るように断面線を引いて作成したものです。(水面及び水面下地形の標高は航空レーザ測量による5mメッシュでは表示されていないため、このような近似的方法をとりました。)

3 縦断図の考察
3-1 断面図2
●下総下位面の傾斜が現在の沖積地の傾斜と逆方向です。
下総下位面のこの傾斜傾向は、下総下位面が出来た当初の姿と同じものであるのか、それとも違うものであるのか、これから検討を始めたいと思います。
現在の私の見立ては、谷津の分布形状から、下総下位面の現在の傾斜傾向は形成当時の傾斜傾向と同じものだと考えています。
もしそうだとすると、河川の流れが真逆になった瞬間が存在していたことになり、その地史ドラマに興味津々です。

●特徴的で顕著な帯状隆起地形が存在します。
下総下位面の一部が帯状に隆起しています。このような特徴的な地殻変動の様式をどのように呼んでよいのか、知識がありません。学習したいと思います。また、特徴的ですから、この変動地形について地元で研究されているかもしれません。地元の博物館等に問い合わせてみたいと思います。

断面図2の考察

3-2 断面図3
●特徴的で顕著な帯状隆起地形は下総上位面
縦断図2で表現される帯状隆起地形が下総上位面に連続して分布しています。隆起地形の比高は9mに及んでいます。
隆起地形は帯状に平行する2本の断層によって形成された地塁のように見えます。このようなミクロな地塁が存在するのか、学習したいと思います。

●新川と手繰川の間の印旛沼南岸に下総上位面が存在する。
新川と手繰川の間の印旛沼南岸に下総上位面が小島状に存在すると考えました。これは杉原(1970)には無いものです。

断面図3の考察

3-3 断面図4
●印旛沼筋沖積地縦断イメージを作成する。
農地造成盛土や堤防の影響を除去して、印旛沼筋沖積地縦断イメージ図を作成しました。この図と上記縦断図23と比較した図を作成して、印旛沼筋の地形ドラマについて検討していくつもりです。
新川合流部付近で沖積地縦断の勾配が急変するように見ることができます。

断面図4の考察


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