2014年1月24日金曜日

地形分析ツール カシミール3D

花見川流域の小崖地形 その104

2014.01.23記事「参考 5mメッシュDEMの重複を除去する」で書いたように、5mメッシュDEMの重複を除去して、早速カシミール3Dを使って地形の立体表示をしてみました。

千葉県北部台地の地形立体表示例 1
下総西部隆起帯を西方に向かって眺めた画像です。
縦方向の倍率は20倍、立体感を確認するために(立体感を強調するために)網目(3次メッシュ)を書き込んであります。(以下同じ)
ちなみに1つの網目(3次メッシュ)は225×150=337505mメッシュから構成されています。

千葉県北部台地の地形立体表示例 2
印旛沼が干拓されて消失した付近の画像です。

千葉県北部台地の地形立体表示例 3
印旛沼筋を北西に向かって眺めた画像です。

千葉県北部台地の地形立体表示例 4
金山落付近(古平戸川の手賀沼方面出口付近)を北に向かって眺めた画像です。

立体画像をつくるために使った地形段彩図は次の画像です。

3次メッシュを記入した地形段彩図

地形段彩図より地形立体表示画像の方が情報量がはるかに多いです。
従って、地形の成り立ち等について問題意識を持っている場合、思考上の刺激は地形段彩図より地形立体表示画像から受ける方がはるかに強まります。

この記事では詳述しませんが、地形立体画像から例えば、次のような思考が発生します。

上記地形立体表示例 1から、私は隆起軸の両側に拡がる下総下位面(の緑色の部分)の対称性に意識が向きました。地形段彩図(平面図)からは「軸の両側に対称的に分布している」という意識は生れませんでした。自分にとって新しい思考の始まりです。

地形立体表示例 2から、鹿島川が大曲する付近(印旛沼が干拓されて消失した付近)の隆起軸、沈降軸の様子がよくわかり、構造地形の成り立ちについて思考が深まっていきます。

地形立体表示例 3から、印旛沼筋の下総下位面が幾つかの地形面グループから構成されていて、その相互に切った、切られたという関係があることを立体的に確認でき、印旛沼筋河川争奪仮説に関する思考が深まります。

地形立体表示例 4から、古平戸川の出口を塞いだと考えている小さな隆起軸の様子をリアルに捉えることができます。印旛沼筋向斜軸と小さな隆起軸との関係についての思考が深まります。

(注 私は地形立体画像を27インチ画面一杯に拡大して眺めて利用しています。ブログ掲載画像は画面上で小さいので、それから受ける印象〔刺激〕はまた別になります。)

これまでもそうでしたが、カシミール3Dで作成した地形立体画像は、地形分析ツールとして極めて有用であることが確認できました。

昨年末から興味を持っている印旛沼筋河川争奪仮説の検討に、カシミール3Dによる地形立体画像を使って行こうと思います。

メッシュの重複除去というあまり気の進まない作業を思い切って実行したおかげで、広域について5mメッシュを制限なく使えるようになり、その効果が絶大です。


0 件のコメント:

コメントを投稿