2014年11月25日火曜日

古代「東海道水運支路」(仮説)の検討項目

花見川地峡史-メモ・仮説集->3花見川地峡の利用・開発史> 3.4〔仮説〕律令国家の直線道路、東海道水運支路の検討>3.4.5古代「東海道水運支路」(仮説)の検討項目

古代「東海道水運支路」(仮説)を船越という概念で捉え、これから詳細に検討します。

1 検討範囲
検討範囲の位置図を示します。

古代「東海道水運支路」(仮説)検討遺跡・区間の位置

検討遺跡・区間を次のように設定します。

古代「東海道水運支路」(仮説)検討遺跡・区間の設定
なお、メインの検討はA~Gの範囲を予定しています。

2 検討項目
2-1 古代駅路網変遷に関する文献調査
「千葉県の歴史」(千葉県発行)および他の図書により、千葉県付近の古代駅路網変遷にかんする研究結果を把握し整理します。
特に陸路網と水運路網の有機的な結びつきについての情報を調べます。
浮島駅の場所に関する検討も行います。

2-2 古代花見川地峡の地形復元
古代「東海道水運支路」(仮説)の検討を可能にする前提条件として、古代花見川地峡の地形を復元します。
近世における印旛沼堀割普請で花見川地峡の地形が大幅に改変されましたので、その改変以前地形の復元は検討のための必須事項です。
また花見川地峡が河川争奪地形という特殊地形であることの認識も、検討の前提として必須です。
主にB~E付近の地形を復元します。

2-3 関連遺跡・谷津区間付近の埋蔵文化財調査
A~Gの関連遺跡・区間付近について、古墳時代~平安時代を対象として、埋蔵文化財分布図を作成するとともに、埋蔵文化財調査報告書を閲覧して古代「東海道水運支路」(仮説)に関連する可能性のある情報をピックアップします。

2-4 杵隈・船越区間・高津に関する詳細検討
2-4-1 杵隈に関する検討
地名柏井が杵隈であることの検討を行います。
市川市柏井の歴史環境を調べ、参考とします。
現在の地形から船着場のイメージについて検討します。

2-4-2 船越区間(陸路区間)に関する検討
取りつけ道路区間(杵隈-双子塚区間)の現場状況把握(唯一古代の地形が残っていると考えられる区間)
直線道路区間(二子塚-高台南古墳間)の地籍資料等を用いた検討、米軍空中写真を用いた検討、現場状況把握。

2-4-3 高津に関する検討
高津土塁跡と考える地物の検討(米軍空中写真、柏井小学校建設時ボーリング資料)、現場状況把握。
高津土塁と高津馬牧に関する検討

2-5 調査結果のまとめ
調査結果をまとめます。

2-6 古代「東海道水運支路」(仮説)検討
調査結果まとめに基づき、古代「東海道水運支路」建設の時代、建設目的、使われなくなった理由・時代等を考察します。

2-7 参考検討 広域遺跡密度分布等の情報と古代「東海道水運支路」(仮説)との関連
カーネル密度推定による広域遺跡密度分布から得られる情報と古代「東海道水運支路」(仮説)との関連を検討し、古代「東海道水運支路」(仮説)の意義について検討します。

2-8 参考検討 古代水運技術に関する検討
船越という古代水運技術の体系がどのようなものであったのか、地道に情報収集して、古代「東海道水運支路」(仮説)の検討に役立てたいと思います。
例えば、船着場や津(港湾)の施設建設技術、船の停泊技術、水位低下期の曳舟技術、荷物陸運方法・陸運人夫組織、陸運路建設技術・維持管理技術などです。



検討が広範な領域に及びますが、過去に既に検討してきた事柄が多いので途中で行き詰ってしまうようなことは無いと思います。

自ら心配することは、興味が特段に深まる事項に出会ってしまい、それに集中しすぎて視野狭窄状態になってしまい、古代「東海道水運支路」(仮説)の確からしさを実証的に深めるという本来目的を忘れてしまうことです。

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