2015年10月19日月曜日

鳴神山遺跡の墨書文字「犬」の分布

花見川地峡史-メモ・仮説集->3花見川地峡の利用・開発史> 3.4〔仮説〕律令国家の直線道路、東海道水運支路の検討>3.4.227 鳴神山遺跡の墨書文字「犬」の分布

鳴神山遺跡では墨書文字「犬」がⅠ053竪穴住居から11史料(大ないし犬を加えると12史料)が集中して出土してます。
他に2溝から1史料出土してます。

文字「犬」出土分布

「犬」の例
Ⅰ053竪穴住居出土
千葉県出土墨書・刻書土器データベース(明治大学日本古代学研究所)から引用

「犬」は猟犬をつかった狩猟集団の祈願語であると考えます。

「犬」の文字に猟犬を使った狩活動発展の願いを込めたものと考えます。

Ⅰ053竪穴住居の近くで狩猟集団が酒宴(祭祀)を行い、その時に持ち寄った「犬」を墨書した坏を打ち欠き、Ⅰ053竪穴住居跡に捨てた(納めた)ものと考えます。

この場所が最多文字「大」の集中出土遺構に近いので、この付近に集落の各集団が共同で利用する酒宴(祭祀)会場となる施設が存在していたと考えます。

同時に、「犬」を祈願語とする集団と「大」を祈願語とする集団は親近的関係にあったことを推察します。

この場所で狩猟集団の酒宴(祭祀)が行われたことから、狩猟集団の活動場所(狩猟場所)が鳴神山遺跡に北に広がる台地であったことを推察できます。

参考 文字「大」出土分布

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