2016年12月16日金曜日

上谷遺跡 出土物等閲覧 墨書文字「囚」(?)について

上谷遺跡の学習で気になった出土遺物等について八千代市教育委員会に閲覧を申し込み、実現しました。

1 閲覧した上谷遺跡出土遺物等

次の3点について学習過程で気になり、関係出土遺物等の閲覧を申し込み、閲覧が実現しました。

・墨書文字「囚」土器
・付着物土器
・D268土坑出土土器等

次に閲覧した土器等を示します。

上谷遺跡 出土物閲覧(八千代市教育委員会所蔵)

発掘調査報告書の分析学習だけでは知りたい最後のポイントが判らないことが多くなりますが、今回出物現物を手に取って観察できましたので、多くの学習上の収穫がありました。

出土遺物の閲覧の機会をつくっていただいた八千代市教育委員会の感謝申し上げます。

この記事では墨書文字「囚」(?)土器について、土器閲覧結果にもとづいて検討します。

付着物土器、D268土坑出土土器等については次以降の記事で検討します。

2 墨書文字「囚」(?)土器について

千葉県墨書土器データベース(明治大学)では上谷遺跡からヘラ書文字「囚」土器が報告されています。

釈文囚の墨書土器

発掘調査報告書でそのようになっているので、データベースでそのようになるのは当然であると考えました。

囚は俘囚の囚であり、大いに気になる文字です。

しかし、発掘調査報告書のスケッチをみると囚ではなく、人のように見えます。

その後検討し、発掘調査報告書では「人かどうかわからないので、その疑義があるということを記号□で表し、□+人として表現している」、つまり囚に似た記号であると解釈しました。

2016.10.08記事「墨書文字釈文の不確かさの表記方法」参照

実際はどうなのか、今回土器現物を手に取って観察できました。

釈文「囚」土器

釈文「囚」土器

先ず□が存在しないことが確認できました。

ですから囚ではなことが100%確認できました。

次に人であるかどうか観察すると、2つの線分はほぼ完全なる直線であって、曲線的要素は皆無であることが判りました。

もしこのヘラ書をした土器職人が頭の中で漢字「人」を思い浮かべ、それを表記しようとしたのなら、完全な直線を2本組み合わせたことと結びつきにくいと思います。

漢字「人」を描こうとするのなら完全なる直線ではなく、曲線的要素が入り込むに違いないと考えます。

このヘラ書はT字形あるいは×の崩れのように感じます。

土器底面裏に×がヘラ書されたものは沢山ありますから、それに類似した記号であり、漢字「人」ではないと考えました。

土器現物を見て、囚あるいは人ではないことを確信をもって直観できました。


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