2017年3月22日水曜日

大膳野南貝塚 炉穴と狩との関係

陥し穴が追い込み猟で使われていたと考えていた時点では炉穴と狩の関係を次のように捉えていました。
2017.03.13記事「大膳野南貝塚 陥し穴猟は待伏猟か追込猟か」参照

陥し穴が追い込み猟で使われていたと考えていた時点での炉穴と狩との関係イメージ

その後、大膳野南貝塚付近の縄文時代早期狩猟は地形を利用した追い込み猟(集団猟)と陥し穴罠猟(個人猟)のセットで行われていたと考えを変更しました。
2017.03.20記事「縄文時代狩猟モデル(仮説)」参照

この新しい狩猟モデルにより炉穴と狩の関係を次のように改訂します。

炉穴と狩との関係イメージ(改訂)

炉穴の分布空間は陥し穴罠猟空間とほぼ一致し、それは追い込み猟空間の主要部に一部重複、大部分は隣接して存在していたと考えました。

トータルでざっくり捉えれば、炉穴分布空間・陥し穴罠猟空間・追い込み猟空間主要部は一体的空間に存在していたと考えます。

機能から捉えれば大膳野南貝塚縄文時代早期狩猟空間は炉穴ゾーン(宿泊活動機能)、陥し穴罠猟ゾーン、追い込み猟主要部ゾーンの3つにゾーニングできると考えます。

炉穴ゾーンでは犬を伴う人集団が調理宿泊しながら逗留し、動物捕獲施設や誘導柵の設置補修、追い込み猟の実施、捕獲動物の解体と製品化(皮革製品、歯牙製品、骨製品、肉製品)などに携わったと考えます。

追い込み猟の実施では広大な台地空間に散らばる動物を集めて群れにする作業、群れを狩場付近まで移動させる(追う)作業、誘導柵と深い谷頭地形を利用して一気に動物を捕獲施設に追い込む作業、捕獲施設内の動物を仕留める作業などが順次行われたと考えます。

同時に炉穴ゾーンの一部は陥し穴罠猟のための陥し穴と誘導柵の設置補修及び罠猟の見廻り・動物捕獲活動のための宿泊逗留に使われたと考えます。

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