2017年9月23日土曜日

西根遺跡出土「杭」はイナウ 精細データの入手

1 これまでの経緯 「杭」現物の閲覧
2017.07.05記事「西根遺跡出土縄文時代丸木はイナウ」で、2017年6月28日千葉県教育委員会所蔵の西根遺跡出土縄文時代丸木(発掘調査報告書では「杭」)を閲覧する機会を得て、その現物分析の結果を書きました。
「杭」と称する縄文時代出土物はその特徴からイナウであるという確信を持ちました。
しかし、現物はビニール袋に薬品とともに入れられていることと、資料保護の観点からビニール袋を手に取ることが不可であり、限定された観察となりました。

現物観察結果 削り跡
資料は千葉県教育委員会所蔵

現物観察結果 刻印 
資料は千葉県教育委員会所蔵

2 「杭」写真と杭出土グリッド発掘状況写真の入手
この度、「杭」の精細写真と杭出土グリッド発掘状況写真計10点を千葉県教育委員会の許可を得て入手し、同時にブログ掲載許可も得ました。
そこで、「杭」がイナウである可能性等について10点の精細写真を分析して、これからじっくりと学習していきたいと思います。

入手写真
写真は千葉県教育委員会所蔵

私がこれらの写真を最初に閲覧した時、2点について驚き学習意欲が強烈に高まりました。
1点は「杭」写真に報告書未掲載の裏側写真が含まれていることです。
つまり「杭」の全体を精細写真で分析できるのです。
もう1点は杭出土グリッド(4C09)発掘状況写真に木片が写っていて、それが「杭」に似ていることです。
千葉県教育庁文化財課担当官の方からは写真の木片が出土杭であるかどうかの記録はないことを教えていただきました。もし写真木片が杭であるかどうかわかれば、どちらの場合でもとても役立つ情報を得ることができると期待感が高まりました。

3 分析項目
これら10点の写真を使って次の項目を順次分析することにします。

ア 4C09写真に写る木片は「杭」であるかどうか 
イ 「杭」の削り跡、刻印等の詳細分析把握
ウ 4C09写真の土器、木片(「杭」)、獣骨出土状況から何が読み取れるか

4 参考 「杭」出土グリッド

「杭」出土グリッド

「杭」出土グリッド(拡大)
4C09グリッドから大型土器を含む土器多数、「杭」、獣骨が出土しています。

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