2018年1月22日月曜日

鹿頭骨列の解釈

大膳野南貝塚後期集落の出土物による竪穴住居検討 14

竪穴住居そのものではありませんが、北貝層縁辺部に鹿頭骨列が特殊的に出土していますので観察し解釈します。

1 1号鹿頭骨列

1号鹿頭骨列
鹿頭蓋骨5点(内2点は同一個体と推定)が列状の検出され(南東→北西)ました。骨体表面は摩滅しています。北貝層の堆積直前もしくは貝層堆積の初期段階に配されたものと推定されています。頭骨はいずれも角坐が残っています。分布列の全長は約4mです。

2 解釈
1号鹿頭骨列付近でそれと直交する線分を想定すると、それは集落内部から狩場方面へ出かける通路の方向に一致します。同時に1号鹿頭骨列は集落出入口付近と想定することも可能です。
このような想定から、1号鹿頭骨列は集落出入口に設置されたモニュメントで、その出入口から狩場に向かう通路が存在していたと考えることができます。

仮説 1号鹿頭骨列は狩場方面へ向かう集落出口のモニュメントである。

大膳野南貝塚から狩場へ向かう通路

1号鹿頭骨列は地面に置かれたものでないことは当然であり、例えば次のようなヌササンとして想像することができます。

1号鹿頭骨列復元空想図
頭骨には全て角坐が残っているので、遺物としての角は出土していませんが、モニュメントとして設置された時は角があったのかもしれません。

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