2018年4月3日火曜日

土坑断面図kj法分析 中間感想

大膳野南貝塚後期集落 土坑の再検討 18

1 最初のkj法結果
大膳野南貝塚後期集落の土坑全264基の断面図(土層メモ付平面断面図)をIllustrator画面にばら撒いてkj法により「似たもの同士」を集めて島を作ってみました。

kj法結果 似たもの同士の土坑の島
次のような島ができました。

土坑の島
2018.04.01記事「土坑断面図kj法分析 粗ごなし」では皿形タイプ、中間形タイプ、円筒形タイプ、深円筒形タイプ、ピット付属タイプという用語をつかったのですが、この用語では自分がイメージする似たもの同士分けに合わないような気がしますので皿タイプ、フライパンタイプ、鍋タイプ、タンブラータイプ、底部ピット付タイプに変えました。

各タイプの例を示すと次のようになります。

平底皿

平底フライパン

平底鍋

平底タンブラー

底部ピット付1

2 感想
ア 皿タイプについて
皿タイプはモノの貯蔵のためとは考え難いです。
現段階では埋葬やモガリに関係したものが多いと直観しますが、そのような直観に妥当性があるのかどうか、出土物や空間関係等の他情報を総合して検討を深めるつもりです。
2018.03.15記事「土坑墓」参照

イ フライパンタイプについて
くびれフライパン(オーバーハングフライパン)があり、それはモノの貯蔵に関連していると推測できるのでフライパンタイプのなかに貯蔵機能を備えたものがあることは確実です。フライパンタイプと鍋タイプ、タンブラータイプの貯蔵に関する何らかの差異がどのようなものであるのか知りたいと思います。

ウ 鍋タイプとタンブラータイプについて
鍋タイプもタンブラータイプも貯蔵機能が主な機能であると考えますが、2つの間には機能の違いがあると直観しますので、その機能の違いについて検討を深めます。

エ 底部ピット付タイプについて
底部ピット付タイプはピットが無い場合とは異なる機能がついていると考え、独立させました。
底部ピットの存在は次のような機能の存在を想起させます。
・ピットに地下水が逃げることによる底面乾燥(乾燥を必要とするモノの貯蔵)
・貯蔵物から染み出る水分の排水
・排泄物の溜(トイレ)
・ピットに貯まる水の汲み取り(井戸)

オ 底部ピット付多数について
底部ピット付多数3基のうち2基は貯蔵や発酵機能などのための屋根付土坑であったと考えています。
2018.03.14記事「小ピットのある土坑」参照

カ 区分のあいまいさ
皿タイプ、フライパンタイプ、鍋タイプ、タンブラータイプの間の形状は連続変化していて切れ目はありません。ですからその間に引いた境界は自分自身の直観と恣意そのものです。厳密さはまったくありません。
しかし、平べったいものから深いものまでを4段階に分けたこと自体に意味があると考えます。もしこのような区分に意味があると判れば、あとから統計的手法でいくらでも厳密な区分定義を行い、微調整することが可能です。

キ 土坑機能に関連する要因
kj法分析を行う中で次のような要因が土坑機能を推察する上で重要であると感じました。しかしkj法では多変数を同時に扱えないので、これらの要因を含めてより総合的な多変量解析が必要であると感じました。kj法はそのための入口にすぎないと感じました。
・斜面に立地する土坑
・土坑の規模
・特殊立体形状の土坑(左右非対称形など)
・漆喰貝層
・出土物
・連続分布、集中分布

ク これからの分析
このkj法をもう少し精緻化してから、それに基づいたGIS分析をおこない、皿タイプや底部ピット付タイプの利用目的に迫りたいと思います。さらに見込があれば分類のための多変量解析にチャレンジしたいと思います。



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