2020年11月15日日曜日

西洋お化けのような縄文中期土偶

 縄文土器学習 494

千葉県立中央博物館令和2年度企画展「ちばの縄文」で展示されている縄文中期土偶(柏市小山台遺跡)の3Dモデルを作成し観察しました。一見して白い布を被った西洋お化けのような印象を受け、不謹慎ですが楽しくなります。

1 縄文中期土偶(柏市小山台遺跡) 観察記録3Dモデル

縄文中期土偶(柏市小山台遺跡) 観察記録3Dモデル

撮影場所:千葉県立中央博物館令和2年度企画展「ちばの縄文」 

撮影月日:2020.11.13 

ガラス面越し撮影

3Dモデル写真測量ソフト 3DF Zephyr で生成 v5.009 processing 47 images


展示の様子


展示の様子


3Dモデルの動画

2 観察メモ

・腹の出っ張りは妊娠の様子を表現しています。

・乳房としての凸形は見つかりません。表現されていないか、乳房表現の小さな粘土塊が欠落してしまったのかもしれません。胸の向かって右に円周状の跡があり、これが乳房欠落の跡かもしれません。

・顔の目と口が深い刺突穴で立体的に表現されています。西洋お化けのような印象を受けます。

・顔と頭が分離して二瘤のように見えてしまいます。

・柏市小山台遺跡についての詳しい学習を今後行い、遺跡の特徴を詳しく知ることにします。中期房総の貝塚地帯ではでは土偶出土は皆無であるといわれています。散発的稀に出土する土偶は遠方から流入した開拓集団の存在を暗示していて、社会流動という点から興味が湧きます。

・この企画展「ちばの縄文」で展示されている後晩期土偶は多数になりますが、中期土偶は小山台遺跡土偶と鉢ヶ谷遺跡の中空土偶の2点だけです。房総における中期土偶は希少であり、特別の意味があることを再認識させられました。


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