私の散歩論

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2023年4月30日日曜日

392番土器破片分布の様子

 392 Distribution of pottery fragments


I observed the distribution of fragments of pottery No. 392 excavated from the shell layer on the northern slope of the Ariyoshi Kita Shell Mound. Distributed along the main gully channel. It seems that pottery was dumped at the head of the valley and the fragments were distributed downstream.


有吉北貝塚北斜面貝層出土の392番土器の破片分布の様子を観察しました。ガリー主流路沿いに分布しています。ガリー主流路沿いに分布しています。谷頭で土器が投棄され、その破片が下流に分布したようです。

1 392番土器撮影の様子


392番土器撮影の様子

周回撮影して3Dモデルを作成しました。

加曽利EⅡ式新段階鉢形土器(No.392)(千葉市有吉北貝塚) 3Dモデル

2 392番土器の出土メッシュ特定


有吉北貝塚北斜面貝層 392番土器破片の出土メッシュ特定(内面反転画像)

土器内面の注記から破片出土メッシュを特定しました。


有吉北貝塚北斜面貝層 392番土器破片の出土メッシュ特定

展開はGigaMesh Software Frameworkを使いました。


参考 Ⅱ-55メッシュから大形破片が出土した様子(発掘調査報告書から引用)

3 392番土器破片分布の様子


392番土器破片分布の様子

破片分布がガリー主流路沿いです。ガリー谷頭上からⅡ-31メッシュめがけて完形392土器が投げ込まれたことが想像できます。Ⅱ-31メッシュ付近は急傾斜であるので、その付近に残る破片は少なく、大半は重力と流水営力で下流のⅡ-52やⅡ-53メッシュに移動して堆積した。そして一部の破片がⅢ-63メッシュまで移動したと想像することが、どうも順当のようです。

4 392番土器の出土メッシュ情報


Ⅱ-31


Ⅱ-52


Ⅱ-55


Ⅱ-66


Ⅲ-63


2023年4月27日木曜日

加曽利EⅡ式新段階深鉢(No.359)(千葉市有吉北貝塚) 3Dモデル

 Kasori EII-type New Stage Deep Bowl (No.359) (Ariyoshi Kita Shell Mound, Chiba City) 3D model


With the permission of the Chiba Prefectural Board of Education, I created a 3D model of the Kasori EII-type  New Stage Deep Bowl (No.359) (Ariyoshi Kita Shell Mound, Chiba City) .It is a type that omits the pattern band on the rim and has four plate-shaped handles.


千葉県教育委員会の許可を得て加曽利EⅡ式新段階深鉢(No.359)(千葉市有吉北貝塚)の3Dモデルを作成しました。口縁部文様帯が省略された類型で4つの板状把手がついています。

1 加曽利EⅡ式新段階深鉢(No.359)(千葉市有吉北貝塚) 3Dモデル

加曽利EⅡ式新段階深鉢(No.359)(千葉市有吉北貝塚) 3Dモデル

千葉県教育委員会所蔵品

撮影場所:千葉県教育庁森宮分室

撮影月日:2023.04.12


撮影風景

3DF Zephyr v7.009で生成 processing 146 images

Kasori EII-type New Stage Deep Bowl (No.359) (Ariyoshi Kita Shell Mound, Chiba City) 3D model

Location: Morimiya Branch Office, Chiba Prefectural Board of Education

Shooting date: 2023.04.12

Generated with 3DF Zephyr v7.009 processing 146 images


3Dモデルの動画


3Dモデルの画像

2 GigaMesh Software Frameworkによる展開


GigaMesh Software Frameworkによる展開 外面


GigaMesh Software Frameworkによる展開 内面

3 メモ

発掘調査報告書では加曽利EⅢ式土器(第12群土器)として分類されていますが、今回加曽利EⅡ式新段階土器として分類し直されました。

口縁部文様帯が省略された類型で4つの板状把手がついています。


2023年4月26日水曜日

Sketchfab投稿3Dモデルの累積数が1000を通過

 Cumulative number of 3D models submitted by Sketchfab passes 1000


The cumulative number of 3D model submissions to Sketchfab, which started in March 2019, has passed 1000 today. I used a site called Sketchfab to store 1000 3D learning materials. About 85% are observation record 3D models of exhibited Jomon pottery. I would like to deepen my study of the Jomon period by utilizing the accumulated 3D models as a database.


Sketchfab投稿3Dモデルの累積数が1000を通過しましたので、メモします。2019年3月に3Dモデル投稿サイトSketchfabに個人サイト(arakiminoru)を開設しました。3Dモデル投稿といっても、自分自身のための学習資料として作成した3Dモデルの保存をSketchfabで行ったということです。1000モデルのうち85%くらいは展示縄文土器をガラス面越しに撮影して作成した観察記録3Dモデルです。残りは遺跡の3D空間分析や地形モデルです。今後は、蓄積した3Dモデルをデータベース的に活用して縄文学習を深めたいと思います。また、遺跡や遺構の3D分析モデル作成にも積極的に取り組みたいと考えています。

1 Sketchfab(arakiminoru)の画面


Sketchfab(arakiminoru)のsummary画面

閲覧数の多いモデルなどをSketchfabが勝手に作った画面です。


Sketchfab(arakiminoru)のmodels画面

全1000モデルが日時順にならんでいます。2023.04.26現在。


Sketchfab(arakiminoru)のcollections画面

自分が作成してSketchfabに投稿した3Dモデルのうち、次のテーマで3Dモデルを集めて使いやすくしています。

・剥ぎ取り断面 7モデル

・人面土器 43モデル

・抽象文土器 7モデル

・土版 7モデル

・土偶 59モデル

・堀之内式 20モデル

・阿玉台式 19モデル

・勝坂式 10モデル

・中峠式 19モデル

・加曽利EⅡ式 44モデル

・加曽利E式 5モデル

・加曽利EⅠ式 26モデル

・加曽利EⅢ式 62モデル

・称名寺式 32モデル

・加曽利EⅣ式 32モデル

・加曽利EⅤ式 10モデル

2 Sketchfab投稿3Dモデルの累積数


Sketchfab投稿3Dモデルの累積数

3 メモ

・展示遺物の写真撮影枚数を増やして3Dモデル(観察記録3Dモデル)をつくるようになりました。これにより、自宅でも展示遺物観察がある程度臨場感をもって行うことができるようになりました。その結果、縄文学習に親しみが湧き、学習が継続して発展しています。3Dモデル作成→Sketchfab投稿という活動するタイルが自分の学習活動に定着しています。

・特に加曽利E式土器についての3Dモデル作成数が多く、今後の学習でデータベース活用的に活用していくことが考えられ、楽しみです。

・自分の興味が遺跡の3D空間分析にも拡がっています。今後はフォトグラメトリによるモデルだけではなく、地形・地層、遺構や遺物の3D空間分析モデルも積極的に作成し、その方面の技術も磨きたいと思います。


2023年4月25日火曜日

加曽利EⅡ式新段階鉢形土器(No.392)(千葉市有吉北貝塚) 3Dモデル

 Kasori EII-type New Stage Bowl-shaped pottery (No.392) (Ariyoshi Kita Shell Mound, Chiba City) 3D model


With the permission of the Chiba Prefectural Board of Education, I created a 3D model of the Kasori EII-type  New Stage Bowl-shaped pottery (No.392) (Ariyoshi Kita Shell Mound, Chiba City) .

The shape of the rim is similar to that of pottery with a perforated jaw, but there are no holes.


千葉県教育委員会の許可を得て加曽利EⅡ式新段階鉢形土器(No.392)(千葉市有吉北貝塚)の3Dモデルを作成しました。口縁部の形態が有孔顎付土器に類似しますが、孔は穿たれていません。

1 加曽利EⅡ式新段階鉢形土器(No.392)(千葉市有吉北貝塚) 3Dモデル

加曽利EⅡ式新段階鉢形土器(No.392)(千葉市有吉北貝塚) 3Dモデル

千葉県教育委員会所蔵品

撮影場所:千葉県教育庁森宮分室

撮影月日:2023.04.12


撮影風景

3DF Zephyr v7.009で生成 processing 125 images

Kasori EII-type New Stage Bowl-shaped pottery (No.392) (Ariyoshi Kita Shell Mound, Chiba City) 3D model

Location: Morimiya Branch Office, Chiba Prefectural Board of Education

Shooting date: 2023.04.12

Generated with 3DF Zephyr v7.009 processing 125 images


3Dモデルの動画


3Dモデルの画像

2 GigaMesh Software Frameworkによる展開


GigaMesh Software Frameworkによる展開 外面


GigaMesh Software Frameworkによる展開 内面

3 メモ

発掘調査報告書では加曽利EⅢ式土器(第12群土器)として分類されていますが、今回加曽利EⅡ式新段階土器として分類し直されました。

発掘調査報告書では次のように記載されています。

「口縁部の形態が有孔顎付土器に類似するが、孔は穿たれていない。393には橋状把手が観察できるが、392の正面の欠損部にもおそらく同様の把手が付されたいたのであろう。胴部文様帯は、392では上端が逆Uの字形に連結した磨消懸垂文内に蕨手状の沈線が1条垂下している。」

文様の詳しい検討は別記事で行います。


2023年4月22日土曜日

294番土器破片分布と破片大きさの関係

 Relationship between Fragment Distribution and Fragment Size of No. 294 Pottery


I visualized the relationship between the fragment distribution and fragment size of No. 294 pottery, which is the largest pottery excavated from the north slope shell layer of Ariyoshi Kita Shell Mound. I feel the effects of running water from this data. It is information that denies the principle of distribution of pottery fragments that I assumed. It's getting interesting.


有吉北貝塚北斜面貝層出土の最大級土器である294番土器の破片分布と破片大きさの関係を可視化しました。このデータから流水の影響が感じられます。自分が想定した土器破片分布原理を否定するような情報です。面白くなってきました。

1 294番土器の破片分布と破片大きさの関係


294番土器の破片分布と破片大きさの関係

(ガリー侵食地形は上図左が谷頭・上流、右が下流になります。Ⅱ-30などの記号はメッシュ番号です。)

ガリー侵食地形の谷頭部に近いⅡ-41、Ⅱ-52で大きな破片が数多く出土しています。Ⅱ-65にも大きな破片が出土します。しかし、それより下流では小さな破片のみが出土します。この破片分布と破片大きさの関係は谷頭部で土器が投げ込まれ破壊され、それが急斜面で重力と流水営力(年に数回程度の大雨で生じる激しい流れ)である程度運ばれ堆積し、小さな破片はさらに下流にも運ばれるという様子を想起させます。

この情報に接する前までは、別の情報から土器破片は人の手で運ばれ、広範囲に投げれれたという仮説を持っていました。

これまで自分が抱いていた(作業仮説した)294番土器の破片分布原理(分布の基本は人が破片を運搬して各所に投棄した)が否定される可能性が出てきました。さらに別の情報も含めて詳しく検討する必要があります。この情報から、土器破片分布原理は人為ではなく、流水営力によるものであるとの宗旨替えを本当に強いられるのかどうか、強いられた時自分がどのようにふるまって新路線に移行していくのか、あるいは人ばら撒き仮説がしぶとく生き残るのか、面白くなってきました。濃密な縄文学習を楽しみたいと思います。

2 294番土器の出土メッシュ番号


Ⅱ-30


Ⅱ-41


Ⅱ-52


Ⅱ-54


Ⅱ-64


Ⅱ-65


Ⅱ-58


Ⅱ-59


Ⅲ-51


Ⅲ-43


Ⅲ-63


Ⅲ-85



2023年4月21日金曜日

花見川堀割の藤の花

 花見川よもやま話 第20話


Wisteria flowers along the Hanami River moat


Every year from late April to early May, many wisteria flowers bloom along the Hanami River, adding color to the scenery of the river. It is a specialty of Hanami River moat. Because the color of the wisteria flowers is light purple, it is difficult to fully convey the splendor of the scenery in photographs, but it is very wonderful when you see it in person.


花見川堀割では例年4月下旬から5月初旬にかけて多数の藤の花が咲き、川の風景を彩り引き立てます。花見川堀割の名物です。藤の花の色が淡い紫色であるため、風景としての写真ではその見事な様子を伝えきることは困難ですが、現場でみるととても素晴らしいものです。庭園の園芸種とは異なり、野趣ある美しさです。今年(2023年)は例年とくらべて満開になるのが10日程はやく、4月21日現在満開となっています。

花見川サイクリングロードのあちこちに藤の花が散らばっています。


藤の花


藤の花


藤の花


藤の花


藤の花


藤の花


藤の花


藤の花が多くみられる場所


インカの日時計 ペルー発行考古学切手

 Inca solar observatory Archaeological stamp issued by Peru


I enjoyed obtaining the archaeological stamp of the design of the Inca solar observatory at the highest point of Machu Picchu ruins in Peru.


ペルーのマチュピチュ遺跡の最高地点にあるインカの日時計図案考古学切手を入手して楽しみました。


インカの日時計 ペルー発行考古学切手

インティワタナストーン(太陽を縛る石)といわれ、1つの巨石をくり抜いてつくってあります。角柱の角が正確に東西南北を指していて、暦などに関連する太陽観測施設だといわれています。


インカの日時計 ペルー発行考古学切手


インカの日時計 ペルー発行考古学切手


インカの日時計 ペルー発行考古学切手

ペルー切手1000種という使用済み切手袋入り販売(パケット)の中に、12種の日時計切手が入っていて、考古学切手収集趣味者としてとても得をしたような感情を持ちました。


インカの日時計(2012年撮影)

まじかに見ると直線的に造形され、その姿の意味を読み取ろうとする気持ちが湧いてきて、とても興味深い遺物です。


インカの日時計(2012年撮影)


インカの日時計(2012年撮影)

日本人観光客が定番の「手をかざして祈願する」姿勢をとっています。当時からすでに白服の監視員がいて、ロープ規制もあり、触れません。


マチュピチュ遺跡 ペルー発行切手


マチュピチュ遺跡 日本発行切手


マチュピチュ遺跡(2012年撮影)


マチュピチュ遺跡の位置