成因仮説3
以前の記事(「花見川河川争奪の成因検討2 oryzasan氏の説と感想4」)で次の感想を書きました。
「三谷豊・下総台地研究グループ(1996):下総台地北西部における後期更新世の地殻変動、地団研専報45」で次のような記述があることを思い出しました。
「木下層は、下末吉海進期の堆積物(菊池、1974)であり、上岩橋層を不整合におおって本地域のほぼ全域に分布する。基底面は一般に平坦であるが、しばしば深さ10mを越す埋積谷を基底に伴う」
もし、上岩橋層を削る深さ10m以上の埋没谷があり、その谷を埋める木下層の層相が泥層であれば、そのような場所が水蝕にさらされたとき、埋没谷が無い場所と比べて浸食が激しいという現象がおこるのではないかと想像しました。
自分としては花見川河川争奪の成因検討対象の一つになるのではないかと思いました。
これが私の埋没谷洗い出し仮説です。現場での裏付けはありません。一方的な希望的空想です。
このような考えを断層仮説に次いで考えた理由は、記事「花見川河川争奪 成因検討前の予感」で書いたように、「極端な浸食力増大をもたらした要因」=「花見川河川争奪の成因」という直感に基づくからです。
この記事では次のように書きました。
花見川近隣の河川も強い浸食力を示す谷地形を示しています。しかし河川争奪に至っていません。
花見川は近隣河川の強い浸食力とは比べものにならない極端に強い浸食力をもって争奪対象河川を一気に浸食しているように、私の感情レベルでは感じます。
したがって、近隣河川が持つことができない、特殊的に極端な浸食力増大が花見川にもたらされたと考えます。
その特殊的に極端な浸食力増大をもたらした要因を見つけることができれば、それが即ち、花見川河川争奪の成因であると考えます。
断層仮説も、埋没谷洗い出し仮説も「極端な浸食力増大をもたらした要因」を地質(の水蝕に対する脆弱性)に求めました。
断層仮説と埋没谷洗い出し仮説のイメージを図解すると次のようになります。
さて、現在の私の本命第3仮説である地理的位置仮説を同じ図解で示すと次のようになります。
「極端な浸食力増大」は特段必要がなく、すでに出来上がったV字谷をいわばそのまま頂戴してしまい、「なんなく」争奪できてしまったという発想の仮説です。
地質ではなく地形の地理的位置(関係)に河川争奪の主因を求めました。
詳しい説明を次の記事からはじめます。
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