現在の芦太川谷津最上流の浅い谷がどのようにして出来た谷であるか、気にかかるので、芦太川沿いに縦断面図を作成するとともに、千葉県地質環境インフォメーションバンクで公表されている地質柱状図を標高比較できるようにして並べてみました。
芦太川地形縦断面図
番号は地質柱状図を示す。
芦太川谷底の地質柱状図
深度15mまでを掲載。
粘土層と細砂の間に赤線を記入。
この図から次のことが判ります。
1 浅い谷(柱状図番号2~7、以下番号で説明)の地形面は平坦に近いが、詳細に見ると、その傾斜は番号4-6を最高点として上流側は2m下がる逆傾斜となっている。
2 浅い谷の地質は盛土を除くと、上からローム層、粘土層、細砂になっていてローム層の層厚は平均2.3m、粘土層の層厚は平均2.7mであり、合わせて約5mである。
3 粘土層と細砂の境界の高さは上流側(南側)の地点1と2を除くと標高19m付近で一定している。地点1と2では2~3mさがる。
4 浅い谷とV字谷の間には顕著な急斜面(遷急点)がある。
5 V字谷谷底の地質は盛土を除くと、上から腐植土、シルト、細砂になっているところが多い。ローム層の堆積はない。
以上の情報から、東西方向に延びる小崖に象徴される地殻変動の影響を受けて、浅い谷の上流は地形面も、粘土層と細砂層の境も沈下していることが確認できます。
芦太川の浅い谷の地質はわかったのですが、この地質と台地一般面の地質を比較して、そこに違いを見つけることができれば、浅い谷の特性(成因)がわかるかもしれません。
しかし、残念ながら浅い谷の横断面に対応した位置にボーリング資料がありません。
少し離れた場所のボーリング資料と対比させたいと思います。
(つづく)
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