千葉県立千葉北高校敷地内に8本のボーリングデータがあます。その詳しい検討は後日行うことにし、ここではその1つを例として示します。
このボーリング地点の位置は標高25mであり、谷津ではない台地一般面の部分です。谷津に位置しないことは、旧版1万分の1地形図でも確認できます。
長沼付近台地一般面の地質柱状図(例)
地質柱状図(例)の位置
このデータでは砂層の上に凝灰質粘土層が3m、その上にローム層が4.7m堆積していることが判ります。
芦太川の検討をした時には次のような結果を得ています。(2012.1.8記事「浅い谷の正体」参照)
芦太川におけるボーリングデータ(平均値)
|
ローム層厚(m)
|
粘土層厚(m)
|
台地一般面
|
4.7
|
3.8
|
浅い谷(谷津谷底)
|
2.3
|
2.5
|
これらのデータから、長沼付近でも陸域には(風成)火山灰が5m弱程度積もったと考えることが合理的であると考えます。
小崖1の形成前と形成後(湖沼が形成される前と後)の火山灰堆積深の割合については、不明ですので、今後検討することにします。
参考
芦太川の例では次のようになります。
(芦太川では小崖1の形成に伴う谷津截頭で谷津のアクティブさが失われ、つまり谷津の浸食運搬能力が失われ、その時点からローム層の堆積が始まったと考えました。)
小崖1形成前ローム層厚=台地一般面ローム層厚-浅い谷ローム層厚=4.7m-2.3m=2.4m
小崖1形成後ローム層厚=浅い谷ローム層厚=2.3m
つまり、小崖1形成後ローム層厚はローム層厚全体の49%となります。ざっくりとらえれば半分です。
この結果をそのまま使えば、小崖1形成後、長沼付近の陸域で約2.5m程火山灰降灰による地盤上昇があったことになります。
しかし、このように芦太川の結果を長沼に敷衍すると、長沼付近で抱いている私のイメージと少し食い違うような気もします。
この芦太川の例が長沼でどの程度参考になるのか、今後評価していきたいと思います。
いずれにせよ、小崖1形成後(古長沼形成後)火山灰降灰による地形発達があったことがボーリング資料からも確認できるので、2011.2.26記事「宇那谷川谷津の拡大プロセス仮説」の確からしさを補強することができました。
0 件のコメント:
コメントを投稿