天保期印旛沼堀割普請の土木遺構の詳細検討 その12
15 参考 2種の数値地図5mメッシュ(標高)による土木遺構認識の違い
次の2つの地形段彩図は航空レーザ測量による数値地図5mメッシュ(標高)に基づいたものと、航空写真測量による数値地図5mメッシュ(標高)に基づいたものです。
航空レーザ測量による数値地図5mメッシュ(標高)に基づいた地形段彩図
地図太郎PLUSにより作成
航空写真測量による数値地図5mメッシュ(標高)に基づいた地形段彩図
地図太郎PLUSにより作成
航空レーザ測量による地形は現場でその正確さを確認することができます。
航空写真測量による地形は、DMデータなどと比べると、一般には極めて精細で有用ですが、こと土木遺構(捨土土手)認識に限っていうと、「不正確」の域をはるかに凌駕して、「極端な誤謬」の域に達しています。
このブログで既に何回も(おそらく5~6回)記事にしていますが、横戸付近の雑木林はその下の天保期印旛沼堀割普請土木遺構(の捨土土手部分)とそれが立地する地形を覆い、写真測量技師は航空写真から雑木林下の地物を十分に認識できません。
次の図は地形断面の比較です。
57番断面の比較
地図太郎PLUSで断面地形の標高csvデータ(10㎝単位)を取得しエクセルで作図
64番断面の比較
地図太郎PLUSで断面地形の標高csvデータ(10㎝単位)を取得しエクセルで作図
現場で観察できる天保期印旛沼堀割普請の土木遺構としての捨土土手とそれが立地している地形(古柏井川谷底と谷壁斜面)の関係を航空レーザ測量による地形断面図から確認できます。
航空写真測量による地形断面図からは、土木遺構の姿とそれが立地する地形の正しい認識を得ることはできません。
このブログを開始した当初は航空写真測量に基づくによる数値地図5mメッシュ(標高)しか利用できませんでした。そのため、そのデータが肝心の部分で誤っていることから、自分の思考を平面図や断面図で正確に表現することが出来ず、苦しい感情を持った時がありました。
このブログで扱っている土木遺構や地形(谷津や台地の地形)を対象とするならば、航空レーザ測量による数値地図5mメッシュ(標高)を利用できるようになったことは、地図太郎PLUSなどのソフトを使うことによって、自分の書斎で居ながらにして自由に地形測量ができるようになったことであり、大変ありがたいことです。
こうした世の中の進歩を活用して、適切な地理情報を得て自分の思考を深めていきたいと思います。
私にとって、地図太郎PLUSver3に地形断面図作成機能が付加されたことは大きな出来事です。
つづく
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