花見川流域地誌のメインキーワードは“地峡” その6
次の思考は花見川流域地誌のベースとなるべき基本的なものであり、今後発展させていきたいと思います。
●花見川地峡の本質は河川である。
・現代では、住民はもとより河川管理者までもが花見川掘削部の出自が台地であると勘違いしています。しかし、花見川地峡はその出自は全区間、徹頭徹尾河川です。
ただ、江戸時代から工事が行われ、谷中分水界付近の原地形が失われたため、誤認識が蔓延しているのです。誤認識は正される必要があります。
下総台地の地形発達史から著述する花見川流域地誌がこうした誤認識を正す一助になれば幸いです。
・なお、地峡の本質が河川である他の事例が日本及び世界に存在するかどうか、今後調べたいと思います。(花見川河川争奪がそうであるように、花見川地峡の姿も特異な自然地理事象であることに間違いありません。)
●花見川地峡を活かして実現しようとする政策目的は時代とともに変遷してきている。
・特に江戸時代以降は国家的プロジェクトとして花見川地峡に水路建設を行っています。その主な政策目的は干拓・洪水排除であったり、運河建設であったり、水資源開発であったり時代の要請にしたがって変遷してきています。
・一方、21世紀の現在の時代にあって環境や地域づくりが新たな社会要請として重要です。しかし、花見川地峡に関わる行政は前世紀のまま治水・利水偏重の爬行的状態です。
・したがって、環境や地域づくりという政策目的を実現するために花見川地峡をどのように活用すべきか、その際、環境や地域づくりと治水・利水・水運との調和をどのように図るべきか、検討を深めることが大切です。
花見川流域地誌がこうした検討の一つの素材になるようにしたいと思います。
現在の花見川地峡付近の状況
花見川地峡付近の地勢
おわり
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