花見川流域の小崖地形 その11
1 芦太川付近の地形
芦太川付近の地形は以前の記事で既に検討してあります。
この検討の結果は次の通りです。
●下総上位面を北東に向かって流れる必従谷津(斜面の最大傾斜の方向に流れる川がつくる谷津)としての芦太川が最初にありました。
●その芦太川の上流部が花島小崖によって分断されました。
●更に後に東京湾水系の谷頭浸食が進み、芦太川の上流部の谷津は殆ど失われました。
2 芦太川谷底面を切る小崖
さて、次の図(旧版1万分の1地形図)で等高線25mでかこまれた範囲を示して、芦太川谷底分布のイメージを表現しました。また、小崖分布イメージも示しました。
芦太川谷底分布(イメージ)と小崖分布線(イメージ)
参考 「芦太川谷底分布(イメージ)と小崖分布線(イメージ)」の現代地図投影
小崖は断層崖と考えますので、台地面だけでなく、台地面を削る芦太川谷底面にも小崖が連続しているはずです。
旧版地形図には小崖があるべきところに道路記号がありますが崖や斜面の表記は見つかりません。
また、この付近は人工改変が進んでいるので、現代の正確な地形情報からも崖を見つけることはできません。
そこで、1949年撮影の米軍空中写真を実体視したところ、まさに小崖分布線(イメージ)に沿って芦太川谷底面を切って小崖が存在していることを確認できました。
米軍空中写真実体視で判明した芦太川谷底を切る小崖分布
米軍空中写真
米軍撮影空中写真usa-r2769-106(部分)(1949年撮影)
参考:小崖付近にある道路は偶然そこのあるのではなく、小崖上端に沿ってつくられていた意味のある道路だったこともわかりました。つまり、小崖という土地利用境にならざるを得ない場所につくられた道路です。
小崖という微地形に適合した土地利用が行われていることも米軍空中写真からよく判ります。
下総上位面を削る浅い谷の谷底面に段差があることが確認できましたので、逆にこの小崖が断層崖である決定的証拠をつかんだことになります。(花島小崖が海食崖であるという可能性が100%排除されたことになります。別記事で詳しく説明します。)
芦太川谷底には小崖をまたいで多数のボーリング資料があります。その資料も小崖に対応して断層の存在をクリアにしめしていますので、次の記事で説明します。
つづく
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