私の散歩論

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2013年9月5日木曜日

千葉土木事務所から再び回答を得る2(河川整備計画の記述の疑問)

2 河川整備計画の記述の疑問
2-1 質問と20135月の回答
2013.05.24記事「千葉土木事務所に質問して回答を得る2(河川整備計画の記述の疑問)」に報告したとおり、次の質問をし、20135月に次の回答を得ました。

質問
利根川水系手賀沼・印旛沼・根子名川圏域河川整備計画における印旛放水路(下流部)の記述「印旛放水路(下流部)は印旛沼開発事業により下総台地を開削して作られた人工河川です」は次のような誤りと人々に誤認識を与える表現です。
●「下総台地を開削」が誤りあるいは人々に誤認識を与える。(理由は上記記事参照)
●「人工河川」が誤りあるいは人々に誤認識を与える。(理由は上記記事参照)
このような指摘について、河川管理者の回答をお聞かせください。

回答
①「下総台地を開削」についての記述の根拠(出典)は河川課で調べたが見つかっていない。夏頃をめどに回答する。
②次の3つの理由から印旛放水路は「人工河川」である。
1印旛放水路ではポンプアップして水を流す構造になっている。常時水が流れうる構造ではない。
2江戸時代以降工事が行われてきた水路である。
3昭和の工事で現在の水路を造った。

2-2 20138月の再回答
「下総台地を開削」の出典について、次の再回答がありました。

再回答
「「下総台地を開削」の出典は「印旛沼開発工事誌」(水資源開発公団印旛沼建設所)である。」

2-3 感想
千葉土木事務所の担当の方には最初から何べんも話していますが、私は河川整備計画の記述の出典が何かということ自体を問題視しているのではありません。出典など本当はどうでもよいことです。

問題は「台地を開削したから人工河川だ」と受け取れる文章を書いているから、それが人々に次のような認識(イメージ)を与えることになる。このような認識(イメージ)は間違っていると思うが、千葉県はこのような間違った認識(イメージ)を持っているのですか?という質問です。
  
担当の方は出典を調べなければ答えられないということで、出典が問題になったのです。

「台地を開削したから人工河川だ」という文章から受ける誤ったイメージ

出典として教えていただいた「印旛沼開発工事誌」に記述されている疏水路下流部の工事では、天保期印旛沼堀割普請でできた水路底の掘削を行うとともに「台地の掘削」を1ケ所で行っています。「台地の掘削」は次の地図で示される部分です。

印旛沼開発事業の「台地の掘削」箇所
基図は旧版1万分の1地形図、数値地図2500(空間データ基盤)、DMデータ(千葉市・八千代市提供)の3種をオーバーレイしたものです。

参考「印旛沼開発事業の「台地の掘削」箇所の実施断面
出典:印旛沼開発工事誌

印旛沼開発事業で行った「台地の掘削」は弁天橋付近で、水路のカーブを改善するために台地の端を削った1箇所だけです。

この言葉「台地の掘削」を引用して、それにより花見川を人工河川に仕立て上げるのはいかがなものでしょうか。

担当の方からは、河川整備計画記述の出典を調べ、確かに「台地の掘削」という言葉が出ているので、河川整備計画の表現に問題はないとのお話がありました。

言葉尻があっていればよいというものではないのですが、担当者の方が印旛沼開発工事誌の内容に詳しくないようなので、これ以上の話は止めました。

おそらく河川整備計画文案作成者は、花見川を何が何でも人工河川に仕立て上げようという思いが強すぎたため、印旛沼開発事業や印旛沼堀割普請の実際を確かめることなく、生半可なイメージで文章を書いたのだと思います。

利根川水系手賀沼・印旛沼・根子名川圏域河川整備計画における印旛放水路(下流部)の記述「印旛放水路(下流部)は印旛沼開発事業により下総台地を開削して作られた人工河川です」という表現は人々に誤認識を与える記述です。

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【河川整備計画と無関係な話題】
上記「印旛沼開発事業の「台地の掘削」箇所」に、花見川の上ガスが最も激しい場所がほぼ該当します。
何か関連がありそうな気がしていて、興味を持っています。

花見川の上ガスが激しい場所
2013.08.26記事「花見川の上ガスが激しくなる」参照
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つづく

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