私の散歩論

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2013年11月12日火曜日

2つのプレート運動と活褶曲地形との関係

花見川流域の小崖地形 その55

小崖(断層)の縦ずれ量計測に端を発し、下総上位面を褶曲変位地形として捉えるところまで思考が進展しました。

褶曲変位地形ということになれば、なぜ褶曲があるのかという疑問が自然に湧いてきます。
その疑問からプレートテクトニクス理論に到達するの時間は殆どかかりませんでした。
大震災に関連して関東地方の地下構造について、テレビでの情報発信が盛んで、幾つか見たことがあるからです。

花見川流域の活褶曲地形とプレート運動との関係について次のような思考(空想)をしました。この思考(空想)を密かな作業仮説として活用し、地形の成り立ちを把握したいと思います。

1 関東地方の地下に沈み込む2つのプレート
関東地方南部では太平洋プレートが沈み込み、その上にさらにフィリピン海プレートが重なるように沈み込んでいることが知られています。

関東地方南部のプレート模式図
「千葉県の自然史 本編2 千葉県の大地」による

2 プレート運動と地形との関係
貝塚爽平他編「日本の地形4 関東・伊豆小笠原」(東京大学出版会)によれば、「関東平野の南部は、フィリッピン海プレート東縁の伊豆外弧が相模トラフから沈み込むのを反映した地形を呈する。すなわち、そこには三浦・房総南部の高まりがあるが、それは沈み込み帯の内側にしばしば見られるアウターリッジと呼ばれる隆起帯で、その北の関東地方は隆起帯の内側の海盆に相当する(貝塚19741984)」

関東の地形とプレート運動の関係模式図
貝塚爽平他編「日本の地形4 関東・伊豆小笠原」(東京大学出版会)より引用

関東の第四紀後期の地殻変動
貝塚爽平他編「日本の地形4 関東・伊豆小笠原」(東京大学出版会)より引用

同書では、太平洋プレートの沈み込みが関東造盆地運動にかかわっているが、詳細はまだよくわかっていないとしています。

3 2つのプレートと活褶曲軸との対応(空想)
「千葉県の自然史 本編2 千葉県の大地」や貝塚爽平他編「日本の地形4 関東・伊豆小笠原」(東京大学出版会)等の情報から、2つのプレートと花見川流域付近の活褶曲地形との対応を次のように空想しました。

2つのプレートと活褶曲軸との対応(空想)

2013.10.30記事「下総上位面と活構造」で紹介した活構造のうち下総台地西部隆起帯等をフィリピン海プレートの運動と、下総台地東部隆起帯等を太平洋プレートの運動と関連付けるという考えです。

このような関連付けをすることにより、花見川流域の活褶曲軸や長沼の成因について、さらに言えば印旛沼の不思議な形状なども合理的に説明できる可能性が生れます。


この対応関係の空想を、密かな、しかし有力な作業仮説として、今後の検討に活用したいと思います。

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