花見川流域の小崖地形 その86(5mメッシュDEM図を読む 25)
なお、米本はヨナモトと読みます。
3 横断図の考察
3-3 断面図7
●印旛沼筋(本川筋)の南岸には下総下位面エ面が拡がりますが、北端にウ面と考えられる地形面が帯状に分布します。エ面とウ面の比高は4m程です。
●新川(平戸川)の上流に拡がる下総下位面はエ面と比べてその標高が低くなっています。エ面の上流に位置する地形面の標高が低いのですから、別の地形面と考えてよいと思います。暫定的にこの地形面を下総下位面カ面と呼ぶことにします。カ面と下総上位面との比高は2m程です。
●エ面、カ面、ウ面の順に標高が低くなっていて、特にエ面を切ってウ面が分布することから、下総下位面というものは、その時代の河川によってつくられた数段の段丘面の総称として理解することがふさわしいと思います。
●印旛沼筋(本川筋)北岸には下総上位面が拡がりますが、浸食が激しい地形、顕著な帯状凸地形、平面形状がオタマジャクシ状の凹地地形が分布します。地殻変動が表現されているものと考えますが、これらの興味をそそる地形は改めて集中的に検討したいと思っています。
断面図7の考察
参考 地形段彩図のGoogle earth表示
断面図7付近(八千代市米本付近)の地形段彩図のGoogle earth表示
断面図7付近(八千代市米本付近)の地形段彩図のGoogle earth表示
地形段彩図(半透明)と空中写真のオーバーレイ表示
断面図7付近(八千代市米本付近)のGoogle earth表示
参考 断面図7付近(八千代市米本付近)の標準地図のGoogle earth表示
標準地図は電子国土ポータルによる
さて、こうした作業をするなかで、思考の量が増大して、あれこれの検討をして、少しづつ確からしさのある地形解釈仮説に向かうステップが進んでいます。
次の図は、現在の思考の途中経過を記録したものです。確信のもてるような、蓋然性の高い仮説が持てるようになるまでの1ステップの記録です。
思考の途中経過(2013.12.29)
この思考途中経過に関する検討を次の記事で行います。
標高データだけから、これだけの思考〔趣味思考〕に熱中できることが我ながら不思議です。5mメッシュ(標高)は既存地図等高線の情報とは異次元であることを強く認識させられています。
返信削除しばらく5mメッシュとGISの組み合わせだけで得られる限りの情報を得てみたいと思っています。
本来、過去の代表的地形・地質文献の学習記録を記事で書こうとしたのですが、それより5mメッシュをいじるほうがおもしろいです。
また、地質情報(露頭はほとんどないので、ボーリング情報)も扱いたいのですが、その前に5mメッシュから得られる情報を知ることの方が先決だと感じています。