私の散歩論

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2014年2月18日火曜日

八千代市の歴史 通史編 上下巻 紹介

花見川流域の自然・歴史を知るための図書紹介 8

八千代市は千葉市と並んで花見川流域に最も関わりの深い地方公共団体です。

八千代市には印旛沼堀割普請や印旛沼開発の舞台となった花見川、新川が流れています。

同時に、八千代市域の大半は印旛沼堀割普請や印旛沼開発の直接受益地域である印旛沼流域に位置しています。

こうした地勢上の位置から市民や行政の印旛沼堀割普請や印旛沼開発に対する関心には強いものがあります。

私は、八千代市民の方が千葉市民より印旛沼堀割普請や印旛沼開発についてより強い関心(地元意識)を持っているように感じています。

印旛沼堀割普請や印旛沼開発について小学校社会科副読本で記述しているのは八千代市と千葉市だけです。(2011.03.20記事「社会科副読本に登場する花見川堀割普請」参照)

さて、「八千代市の歴史 通史編 上下巻」は印旛沼堀割普請や印旛沼開発を始め、花見川流域の歴史を知る上で大変有益な図書ですので紹介します。

なお、「八千代市の歴史」は次のような構成で発刊されています。

● 八千代市の歴史
・通史編(上・下)
・資料編(自然Ⅰ、自然Ⅱ、原始・古代・中世、近世Ⅰ、近世Ⅱ、近世Ⅲ、近世Ⅳ、民俗、近代・現代Ⅰ、近代・現代Ⅱ、近代・現代Ⅲ石造文化財)

この記事では「八千代市の歴史 通史編 上下巻」を紹介します。資料編は別記事で紹介します。

1 「八千代市の歴史 通史編 上下巻」諸元
構成:全2巻(上・下)
編集:八千代市史編さん委員会(委員長 堀部昭夫)
執筆者:専門家30数名
発行:八千代市
発行年月日:平成20年(2008年)年315
価格:4000円(上下巻)
サイズ:A5判、上巻671頁、下巻751

八千代市の歴史 通史編 上下巻

2 内容紹介
主要目次
<上巻>
第一編 自然
第二編 原始・古代
第三編 中世
第四編 近世

<下巻>
第五編 近代・現代
第六編 民俗
附録 DVD(映像の民俗誌)

3この図書の特徴
この図書は、まだ発刊されたばかりであり、花見川流域に関連する事項について最新情報が得られることが、現時点における大きな特徴です。

私はどのページを開いても、立ち止まって読みだしてしまいますが、強い印象を受けた点を列挙すると次のようになります。

第一編自然では花見川流域を含む地域の地学記載がとてもわかりやすくまとめられていて、地域の自然史を知る上でまたとない情報を得ることができます。

第二編原始・古代の記述については、興味深いものが多く、このブログで例えば2013.07.16記事「古代花見川地峡の物流証拠<ハマグリ>」などで引用させていただきました。

第六編民俗では地名について解説していますが、他市類書は一般に地名の解説・記述を忌避しようとするものが多い中で、八千代市のこの図書シリーズに対する力の入れ方のバランスの良さに感心します。記述内容もとても参考になります。


附録にDVDが付いていることも、地域に感心をもつ読者にとってうれしいことです。

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