花見川流域の小崖地形 その112
高崎川・南部川流域付近の断面ABを次のように設定しました。
断面ABの設定
断面図は次のようになります。
断面図AB
高崎川の谷津には河岸段丘が2段現れ、面積の広いメインの段丘は上位の段丘で、下総上位面との標高差や近くの下総下位面との連続性から下総下位面と考えることができます。断面図では下総上位面の標高35mに対して下総下位面と考えられる段丘面は標高31mです。
なお、標高19mに千葉段丘と考えられる狭い段丘面が存在します。
南部川にも同様に下総下位面と考えられる河岸段丘が存在します。
これらの事から、高崎川・南部川レーキが出来たのは(高崎川・南部川の谷津の起原をつくった向斜構造ができたのは)下総下位面の時代頃かそれよりも以前ということになります。重要な情報を得たことになります。
また、向斜構造に下総下位面が分布するという対応関係が、印旛沼筋、高津川・勝田川筋と同じであり、千葉県北部の主要谷津地形の基本パターンの存在を意識せざるを得ません。
角崎大曲地形付近の下総下位面の分布は現在河川の大曲と異なり、活撓曲と平行に分布しているように見えますが、この分布のより的確な説明(解釈)は今後の課題だと考えています。
次の図は、杉原(1970)の地形分類図で、千葉段丘の分布が記載されている地区のうち、このブログで下総下位面と千葉段丘の双方が分布していると考えた地区(二重川と高崎川・南部川)の表示です。
このブログで下総下位面と千葉段丘の双方が分布していると考えた地区
杉原(1970)の地形分類図について、主要谷津の河岸段丘を精査することにより下総下位面の詳細な分布を補完できれば、下総上位面形成以後の地殻変動の様子を詳しく知る一つの手がかりを得ることが出来ると考えます。
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