花見川流域の自然・歴史を知るための図書紹介 18
私が花見川流域の地勢の歴史的意味を考える上で大きなヒントを得た図書の一つとして、鈴木哲雄著「中世関東の内海世界」を紹介します。
1 鈴木哲雄著「中世関東の内海世界」の諸元、内容、目次
【諸元】
書名:中世関東の内海世界、岩田選書「地域の中世」2
著者:鈴木哲雄
発行所:岩田書院
発行日:平成17年(2005年)10月
体裁:A5判、251頁
【内容】
本図書は、利根川=江戸内海(うちうみ)地域と鬼怒川=香取内海(うちうみ)地域の二つの内海世界の歴史風景に視点をおいて、中世関東の地域構造を考察した歴史専門書です。
【主要目次】
序 地域の区分
Ⅰ 中世の利根川下流域
Ⅱ 中世の香取内海世界
Ⅲ 中世香取社と内海世界
結 二つの内海世界を結ぶ道
鈴木哲雄著「中世関東の内海世界」
2 この図書の特徴
この図書では、古代から中世にかけての関東の地勢を利根川=江戸内海地域と鬼怒川=香取内海地域の2大ブロックに区分し、その交流、交通に焦点を当てて歴史的事象を検討しています。
この図書では二つの内海世界の交通場所として、太日川-大堀川-手賀沼筋(茜津-於賦筋)が特に着目検討されています。花見川筋についての言及は特段ありません。
しかし、関東地方を利根川=江戸内海地域と鬼怒川=香取内海地域の2大ブロックに区分し、その交流、交通を考えるという発想の枠組みそのものは花見川筋の地勢や歴史的意義を考える際に必須のものです。
従って、この図書は花見川筋になんら言及していないにも関わらず、花見川筋の地勢上の位置や古代~中世の交通について考える際の参考図書として意義の大きなものです。
私はこの図書等から強い刺激を受け、花見川筋の地勢を江戸内海地域と香取内海地域の2大ブロックの接点として捉え、花見川地峡という概念で表現しました。
そして、花見川地峡に古代~中世に東海道水運支路が存在していたという仮説を持ちました。
2013.06.24記事「平安時代の東海道と花見川地峡」参照
このブログで連載したシリーズ記事「花見川地峡の自然史と交通の記憶」を次のサイトにまとめています。
サイト「花見川地峡の自然史と交通の記憶」参照
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