花見川流域の自然・歴史を知るための図書紹介 38
この図書の著者は千葉県公害研究所長、千葉県環境部技監、(財)印旛沼環境基金水質研究員等を歴任した行政技術者の白鳥孝治氏です。その豊富な経験と利用できる豊かな情報に基づいて印旛沼の民俗と自然をまとめています。
「生きている印旛沼」の諸元、内容、主要目次
【諸元】
書名:生きている印旛沼 -民俗と自然-
著者:白鳥孝治
発行所:崙書房出版
発行日:平成18年10月30日
体裁:A5判、161頁
【内容】
印旛沼は不思議な沼である。流域には、いわゆる「水源地」がなく、人が大勢住んでいるところそのものが印旛沼の水源地である。歴史的な遺跡や古村のたたずまいと現代的な住宅団地との混在、山紫水明を思わせる景色と水質汚染に悩む印旛沼の矛盾。これらは印旛沼を取り巻くこの地域の地理的環境の下に、人々が良かれと思いながら生活し、自然に手を加え、時間とともに積み重ねてきた姿である。印旛沼は、この地域の人々の生きる姿を移す鏡であったのである。(カバー文章より抜粋)
【主要目次】
序 章
第1章 印旛沼とその流域の概要
第2章 印旛沼周辺の人の営み
第3章 印旛沼とその周辺の自然的特性
第4章 印旛沼とその周辺の自然改造
第5章 印旛沼流域の現状
第6章 印旛沼の現状
第7章 これからの環境保全
終 章
生きている印旛沼
花見川流域の北半分はもともと印旛沼流域ですから、この図書は花見川流域を知るために有益です。
さらに、花見川地峡という視点に立つと、さらに有益な図書として位置付けることができます。
なお、この図書の「第4章印旛沼とその周辺の自然改造」の一部は著者の論文「印旛沼堀割工事現場の自然地理的特徴」(印旛沼自然と文化、№5)により構成されています。
「印旛沼堀割工事現場の自然地理的特徴」(印旛沼自然と文化、№5)には花見川河川争奪の記述があるのですが、本書では花見川河川争奪に関する記述が削除されています。
その理由は判らないのですが、著者のせっかくの卓越した先見性が人々に伝わらないことになり、もったいないことです。
現在、花見川河川争奪について記述された刊行物は白鳥孝治著「印旛沼堀割工事現場の自然地理的特徴」(印旛沼自然と文化、№5)だけです。
0 件のコメント:
コメントを投稿