私の散歩論

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2014年8月31日日曜日

アドレスマッチング遺跡プロット図の精度

シリーズ 花見川地峡の利用・開発史
第1部 縄文弥生時代の交通 その23

2014.08.30記事「アドレスマッチングによる遺跡プロット図作成」で紹介したプロット図は千葉県北部という広域を示しているので、遺跡分布の特徴が判ります。

しかし、アドレスマッピングの精度には限界がありますので、その精度限界を確認しておきます。

次の図は双子塚遺跡(双子塚古墳)を中心とする約10km2の範囲の実際の遺跡分布図です。

ふさの国文化財ナビゲーションによる遺跡分布図

この範囲の遺跡名住所リストcsvファイルを東京大学csvアドレスマッチングサービスに送ると瞬時に経度、緯度を書きこんだcsvファイルが返送されてきます。
その返送されてきた、マッチング情報が書きこまれたファイルの一部を示します。

当初情報にマッチング情報が書き込まれたcsvファイル(エクセル表示)

23の遺跡情報が町丁目毎に重複した位置情報に変換され、遺跡は23ありますが、位置情報は7つに減少しています。

このcsvファイルをGISに取り込むと次のようなプロット図になります。

アドレスマッチングで生成した位置情報
GISには23の情報がプロットされたが、位置が重複するものが多いので、見かけ上赤丸は7つになる。

当初情報とアドレスマッチング後の情報の関連を図に示すと次のようになります。

当初情報とアドレスマッチング後の情報の関連

この例では見かけ上プロット数が23→7に減少しました。また当初情報とアドレスマッチング後の位置の変化は最大約1.5㎞、平均して600m~700mくらいあります。

アドレスマッチングの遺跡ブロット図とは、「遺跡が存在する町丁目(大字)の中央付近の経度、緯度をプロットしている図」と言い換えて間違いはありません。

アドレスマッピングしたファイルをGISにプロットすると、当初情報が全部プロットされますが、見かけ上は同じ町丁目(大字)に1の遺跡がある場合でも、多数(20でも、30でも)ある場合でも1ドットとして表現されてしまいます。

一般論から云えば、なんらかの手作業により、遺跡プロット図をつくろうとする時、このような精度では到底満足できないことは言うまでもありません。

しかし一方、次のような期待も膨らみます。

●アドレスマッチング遺跡プロット図を試作して膨らむ期待

ア 市町村別遺跡密度図から新たな情報を読み取ることができたように、精度限界があるにもかかわらず、アドレスマッチング遺跡プロット図からも新たな情報を読み取るができると思います。恐らく、アドレスマッチング遺跡プロット図の方が市町村別遺跡密度図より、より多くの情報を得られそうです。

イ 真性遺跡プロット図(ふさの国ナビゲーションとほぼ同じ精度の遺跡プロット図)をGIS上でつくろうとする際の前処理情報として有益活用できそうです。(GIS画面上で赤丸をマウスでつまんで少し移動させれば、それが遺跡の正しい位置となります。)

ウ アやイなどに利用する場合、アドレスマッチングによるプロットはたとえ19905の情報でも手間と時間は殆どゼロです。機械が作業を瞬時にしてくれます。

ア、イ、ウは大きな魅力です。

次の記事から、時代別や種別(古墳、貝塚…)にアドレスマッチング遺跡プロット図を作成して、市町村別遺跡密度図の検討を補完したいと思います。

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参考 GISソフト「地図太郎PLUS」によるアドレスマッチングの方法

1 「ふさの国ナビゲーション」(千葉県教育委員会)からダウンロードしたデータの調整
エクセルで表示した時、住所欄に情報が間違いなく記入されているCSV(カンマ区切り)ファイルをつくる。
住所欄に複数の住所がある場合、代表する1住所にする。(複数住所掲載の場合、最初に記載された住所を代表住所と考えるならば、住所欄を操作しなくてもよい。「他」「ほか」等の記述も削除する必要はない。)
住所以外の他の項目欄を含んでいてもよいが、項目欄が多数になると、結果が当初項目の欄に上書きされることがある。

2 地図太郎PLUSで「WEBサイト」→「背景地図や各種データのダウンロード」→「東京大学CSVアドレスマッチングサービス」に進む。

3 地図太郎とは別にWEB画面「東京大学CSVアドレスマッチングサービス」が表示される。その画面で、サービスに送るCSV(カンマ区切り)ファイルの何番目のカラムが住所欄であるか記入した上で、送信ファイルの場所を指定して、ファイルを送る。

4 直ちにファイルが返ってくるので、保存する。(返ってくるファイル名が例えば「スサス・菎オ・ニ・ケ・ネ.csv」のように文字化けのような名称になっているが、それで正常である。)

5 地図太郎PLUSで「ファイル」→「他形式を編集ファイルに読み込み」→「CSVファイル(経緯度座標系」→csvファイルがあるフォルダーを選択する→csvファイルを指定する。
CSVファイルのインポート画面が出るので地図太郎の項目一覧(左)にある遺跡名、経度、緯度等に、CSVデータの項目一覧から当該項目を設定ボタンでマッチさせる。(ちなみに、緯度はfYと経度はfXとマッチさせる。)
OKボタンをクリックするとプロット図の記号や色を設定する画面になるので、必要な設定をする。プロット図が表示される。

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