花見川地峡史-メモ・仮説集->3花見川地峡の利用・開発史> 3.4〔仮説〕律令国家の直線道路、東海道水運支路の検討>3.4.49 古墳の階層性に関する予察
2015.01.25記事「花見川-平戸川筋の古墳形式の把握」に示したように、古墳の種別分類とその分布が判りました。
また、墳形からみた社会階層性が前方後円墳→帆立貝形古墳→円墳→方墳→横穴の順に、上位から下位にランクづけられるという想定もしました。
そこで、これらの情報から古墳の階層性に関する予察を次に行います。
なお、古墳の時代や規模について十分に検討していないのですが、とりあえず自分の中に一定のイメージをつくるための、あくまでも字義通りの予察(あらかじめ感じること)をしてみることにします。
古墳の時代や規模についての情報はこれから始める遺跡報告書の全閲覧によって得ます。
1 古墳の分布
種別古墳毎の分布図を1枚の図にオーバーレイした図を作成しました。
古墳オーバーレイ図
この古墳オーバーレイ図を基図にして古墳階層性について検討します。
2 古墳密集地の把握
古墳分布図から、古墳密集地の分布図を作成しました。
古墳密集地の分布
上位の古墳(前方後円墳、帆立貝形古墳)は全て近隣に下位の古墳を従えていて、古墳密集地帯となっています。これは上位古墳被葬者(首長クラス)一族の古墳が同じ場所に集中した結果であると考えます。
また円墳が密集する場所があります。この場所は上位古墳被葬者一族に服属しているよりローカルな小首長一族の古墳であると考えます。
3 古墳から見た社会階層秩序イメージ
古墳密集地分布図から社会階層秩序を予察的にイメージしてみました。
古墳から見た社会階層秩序イメージ(2015.01.26予察)
このイメージは古墳密集地分布図を素に、自分が理解するこの付近の地形等の情報に基づいて描いたものです。
階層秩序イメージは3つの領域(花見川流域、平戸川流域・印旛浦南岸、印旛浦北岸)に対応して存在していると考えます。
花見川流域では東鉄砲図化古墳群を頂点に花見川流域や小中台川流域の円墳密集地が下位に連なると考えます。
平戸川流域・印旛浦南岸では根上神社古墳を頂点に高台南古墳を従え、さらに平戸川流域と印旛浦南岸の広域の古墳密集地が下位に連なると考えます。
印旛浦北岸では船穂町田遺跡を頂点に西野原第3号墳が連なると考えます。
報告書閲覧等で遺跡情報が豊富になれば以上の社会階層秩序イメージをより合理的なものに改訂していくことができると考えます。
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