角川日本地名大辞典 千葉県・茨城県
このプロジェクトに取り組む中で、他県版には付録小字一覧があるのかないのか、参考までに知りたくなりました。
図書館に出かけ、調べてきました。
47都道府県の内、付録小字一覧が有るもの40都府県、無いもの7道府県でした。
付録小字一覧が付いている都府県を図示すると次のようになります。
角川日本地名大辞典 付録小字一覧が付いている都府県
図書館で確かめた時、ついでに付録小字一覧のページ数をメモしておき、千葉県の1ページ当り小字数に基づいて、ページ数から掲載小字数を推定してみました。
その結果を次の示します。
都府県別小字数(推定)
推定小字数を3分割して分布図で示すと次のようになります。
角川日本地名大辞典 付録小字一覧の小字数(推定)
県別の小字数の大小には次のような背景があると考えますが、その背景の強弱は今のところ全く調べていません。
県別小字数の大小に関わる背景
1 過去に存在した小字数の大小。
2 史料に残った小字数の大小。
3 調べられた史料数の大小。
千葉県、茨城県の小字数が多い部類にはいる(赤く塗られている)のは、この地方は険しい山が少ないことと、平野が複雑に開析された台地で構成され、土地開発において土地が細分されざるを得ないためという地形条件が強く効いていることが考えられます。
小字数(推定)を高い方から10位まで並べると次のようになります。
1位 茨城県 (小字数 115500)
2位 高知県 (小字数 113400)
3位 岡山県 (小字数 108500)
4位 千葉県 (小字数 93000)
5位 静岡県 (小字数 88200)
6位 福島県 (小字数 81900)
7位 山口県 (小字数 81200)
8位 滋賀県 (小字数 79100)
9位 鹿児島県 (小字数 78400)
10位 鳥取県 (小字数 72100)
小字数は面積によって異なりますから、小字数/面積という密度指標を設定して調べてみました。
その結果が次のグラフです。
都府県別小字密度(小字数/㎢)
この小字密度を3分割した分布図として示すと次のようになります。
角川日本地名大辞典 付録小字一覧から推定した小字密度(小字数/㎢)
小字密度(推定)を高い方から10位まで並べると次のようになります。
1位 富山県 (小字数23.6/㎢)
2位 滋賀県 (小字数21.0/㎢)
3位 鳥取県 (小字数20.6/㎢)
4位 茨城県 (小字数18.9/㎢)
5位 千葉県 (小字数18.3/㎢)
6位 高知県 (小字数16.0/㎢)
7位 岡山県 (小字数15.5/㎢)
8位 京都府 (小字数15.0/㎢)
9位 山口県 (小字数13.3/㎢)
10位 静岡県 (小字数12.2/㎢)
千葉県、茨城県は全国的に見て小字数が多く、かつ小字密度も高い県です。
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