花見川地峡史-メモ・仮説集->3花見川地峡の利用・開発史> 3.4〔仮説〕律令国家の直線道路、東海道水運支路の検討>3.4.298 西根遺跡検討のためのGIS技術的準備
西根遺跡の発掘調査報告書を眺めていると、その膨大で精緻な発掘作業に脱帽します。
そこで、発掘担当者に敬意を表して、眩暈のするような精密作業結果を自分もある程度反芻して、報告書から有用な情報を引き出したいと思います。
古墳時代後期から奈良平安時代に関して、次の土器等分布図と遺構・木製品等分布図の2種類が4~5枚に分かれて収録されています。
土器等分布図と遺構・木製品等分布図
この2種類の個別遺物(破片)別出土分布図をそれぞれ1枚の図面に編集しました。
土器等分布図の貼り合せ図
貼り合せはPhotoshopで行いました。
一般に図書に掲載されている分割図をスキャンして使う段になると、いろいろな誤差が濃縮されていて、単純な拡大縮小や回転では正確に貼り合せることができないので、どうしてもPhotoshopによる自由変形等の調整が必要になります。
また、Photoshopを使うと、土器等分布図の貼り合せと遺構・木製品等分布図の貼り合せを1度の作業で行うことができます。
この貼り合せ図をGIS(地図太郎PLUS)にプロットします。
地図太郎PLUSには高度なジオレファレンス(幾何補正)機能はありませんが、この検討では簡易的な位置合わせといっても、相当精度の高いものになっています。
土器等分布図貼り合せ図のGIS貼り付け
ここまでたどり着いたら、あとは情報をGISに点情報等でプロットする作業になります。
次の図は古墳時代後期から奈良時代前期にかけての出土遺物をプロットしている様子です。
GISにおける遺物のプロット
遺物をプロットして、それを船尾白幡遺跡の情報と一緒に表現すれば、自分が望んでいる検討、つまり西根遺跡と船尾白幡遺跡の一体的検討が可能となります。
GISにおける西根遺跡遺物と船尾白幡遺跡遺構の同時表示
西根遺跡の詳細精緻な情報をGISにプロットして検討する技術的基礎ができました。
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