私家版千葉県歴史・地名GISデータベースの構築を目指していて、現在次のような段階に来ています。
私家版千葉県歴史・地名GISデータベースの構成と現状
このうち私家版千葉県墨書土器GISデータベースの分布図表現について検討します。
この記事では千葉県の全墨書土器出土状況を分布図にしてみました。
千葉県墨書土器出土遺跡分布図
この分布図は墨書土器が1点でも出土する遺跡を単純にプロットしたものです。
墨書土器1点出土遺跡も、1000点以上出土遺跡も1ドットで表現されてしまいますから、墨書土器出土状況の全体像を知りたいときは注意が必要です。
墨書土器出土件数(点数)を加味した分布図表現は次のようになります。
千葉県墨書土器出土分布図
この分布図は墨書土器出土数グラフの分布図です。
GISソフト地図太郎PLUSの簡易グラフ作成機能で作成しました。
墨書土器出土数が多い遺跡がどの付近にあるのか、感覚的に把握することができます。
プレゼンテーションとしては優れた地図ですが、この地図を分析に使うことは困難です。
この分布図をさらにヒートマップで表現して、分析に使いやすくしてみました。
千葉県墨書土器出土ヒートマップ
カーネル密度推定という統計手法で作画したものです。(密度推定のための半径パラメータは400m)
GISソフトQGISのヒートマップ作成機能を利用して作成しました。
ヒートマップにすると墨書土器出土数の分布を色分けしたゾーンで把握できますから、出土数グラフ分布図より他の情報との比較・対応関係の検討に便利な分布図となります。
参考までに遺跡分布図とそれから作成したヒートマップを示します。
参考 千葉県奈良・平安時代遺跡分布図
参考 千葉県奈良・平安時代遺跡ヒートマップ
墨書土器出土ヒートマップと遺跡ヒートマップを比較すると、奈良・平安時代社会の活動が活発であった地域(遺跡密度が高い地域)とその時代における組織活動が活発であった地域(墨書土器が多数出土する地域)の関係を知ることができます。
この2つのヒートマップの比較検討は別記事で行います。
つづく
……………………………………………………………………
お知らせ
現在、上谷遺跡検討のための準備作業(遺構・遺物情報のGIS化)をしています。
この準備作業が終了して検討出来るようになるまでGISデータベースについての記事を掲載します。
0 件のコメント:
コメントを投稿