八千代市教育員会(八千代市遺跡調査会の母体)に遺構配置図と遺構番号の対照方法を問い合わせたところ、次のような方法を教えていただきましたのでメモしておきます。
なお、竪穴住居については対照結果を分布図として提供していただきました。
八千代市教育委員会に感謝申し上げます。
1 遺構分布と遺構番号の対照方法
報告書中の大グリッド位置図及び中グリッド番号体系図(今回教育委員会から提供していただく)を遺構分布図にプロットする。
そのグリッド番号書き込み遺構分布図と報告書文章記述を対照させて遺構の番号を確定する。
遺構分布と遺構番号を対照させるために使える情報
2 遺構分布と遺構番号の対照作業
遺構分布図にはグリッド情報が全くありません。
同時に大グリッド位置図の遺跡境界線が東側で合いません。
その不都合とはまた別に、大グリッド位置図の縦横の縮尺が変動してしまっていて、大グリッドが正方形ではありません。
従って各種地図技術上の工夫補正はしましたが正確性に著しく疑問が生じるプロットしかできません。
大グリッド位置図と遺構分布図のオーバーレイ結果(Illustrator)
大グリッド位置図にグリッド番号をプロットして、大グリッド位置図を消すと遺構分布図にグリッド番号をプロットできます。
遺構分布図にグリッド番号をプロットした結果(Illustrator)
この資料と報告書文章記述(および報告書掲載遺構スケッチ図)にもとづいて、遺構番号を図上で対照させ、書き込んでいきます。
Illustrator上で遺構番号を書き込んだ地図画像ができれば、それをGIS(地図太郎PLUS)にプロットして、遺構データをGIS化します。
3 感想
上谷遺跡は珍しいヘラ書人面土器が出土している八千代市の中でも有名な遺跡です。
それにも関わらず遺構番号を地図上で確認できない発掘調査報告書がそのままになっていることが残念でした。
行政が行う一般各種調査で、もしこのようなことがあれば、報告書の基本的利用が阻害されてしまいますから、仮に出版されてしまっても正誤表を作るなりすると思います。
実務担当者もその管理者も知らなかったということはあり得ないことです。
このような業務管理問題が放置されていることから、発掘調査報告書というものが世の中でほとんど利用されていないという実態を垣間見てしまったのかもしれません。
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参考 第4分冊掲載 有名なヘラ書人面土器
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