2016.11.14記事「上谷遺跡 竪穴住居遺物分布ヒートマップ検討」でA102a竪穴住居の、2016.11.25記事「上谷遺跡 竪穴住居内遺物分布ヒートマップ(A233)」でA233竪穴住居の遺物分布ヒートマップをそれぞれ作成し、検討しました。
2つの竪穴住居の遺物分布ヒートマップ形状から、遺物はゴミ(廃棄物)として竪穴住居跡穴になげこまれたものではないことを述べました。
もしゴミとして投げ込まれたならば竪穴住居跡穴の中央部付近に出土物が集中すると考えたからです。
遺物のほとんどはお供え物として置かれた、埋められた、投げられたのどれかの行為で遺構に持ち込まれたと考えます。
ですから、「投げる」という行為そのものを排除していません。ぽとりと落とすように投げたことを否定できる情報は持っていません。
遺物が「不要物として投げこまれた物」ではないと主張しています。
遺物はほとんど全て祭祀におけえるお供え物と考えています。
A102a竪穴住居遺物分布ヒートマップ
A233竪穴住居遺物分布ヒートマップ
この推定の蓋然性を補強するために、投げ込まれた可能性が濃厚なD268土坑の遺物分布ヒートマップを作成してみました。
D268土坑遺物データ
D268土坑遺物分布ヒートマップ
廃絶した土坑(穴)に遺物を投げ込んだと推定しますが、そのヒートマップは穴中央付近に集中します。
この土坑遺物分布ヒートマップと前出竪穴住居遺物分布ヒートマップの違いは遺物の持ち込み方の違いを示していると考えます。
なお、D268土坑は人が居住した竪穴住居跡と異なり「穴」そのものであり、遺物は投げ込まれたと考えますが、全て祭祀の際のお供え物であると推定しています。
2016.10.23記事「上谷遺跡 鉄滓が出土している燈明皿多出土坑」等参照
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