私の散歩論

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2017年1月12日木曜日

検見川台地の小字確認

2017.01.06記事「地名「直道」(ナオミチ)の解釈 追補」で小字大扱、大扱台、中扱が、検見川台地に存在した古代俘囚中継施設と関連する地名であることを検討しました。

古代俘囚中継施設の存在は地名だけではなく遺構・遺物データからも推論できそうなので、検討が進めば別記事にしたいと思います。

さて、これらの地名は「絵にみる図でよむ千葉市図誌 下巻」(千葉市発行)によりました。

しかし、千葉県全体をデータベース化した小字データとは異なる地名です。

そこで千葉市立郷土博物館から情報を提供していただき、小字大扱、大扱台、中扱が原本と相違ないことを念のために確認しましたので、メモしておきます。

1 「絵にみる図でよむ千葉市図誌 下巻」(千葉市発行)掲載小字分布図

「絵にみる図でよむ千葉市図誌 下巻」(千葉市発行)掲載小字分布図(部分)

2 検見川地番割図 1934年

検見川地番割図 1934年

「絵にみる図でよむ千葉市図誌 下巻」(千葉市発行)掲載小字分布図が正確であること確認することができました。

3 角川千葉県地名大辞典附録小字一覧

角川千葉県地名大辞典附録小字一覧

このデータは分布図ではありませんが、リストで前後する近隣小字との対応関係から1、2における小字大扱、大扱台、中扱がこの資料では大坂(オオサカ)、大坂台(オオサカダイ)、中坂(ナカサカ)であることは明瞭です。

扱という漢字は坂という漢字に似ていますから角川千葉県地名大辞典附録小字一覧のデータは読み間違いというケアレスミスで生まれて、なおかつ、勝手に「オオサカ」などの間違った読みを創作してしまったということになります。

角川千葉県地名大辞典附録小字一覧は行政に提出してもらった資料をそのまま掲載したものです。

間違っているらしいと気が付いたところもあるが、それを直すことなく機械的に掲載したという趣旨の注書きの意味がよく判ったことになります。

角川千葉県地名大辞典附録小字一覧のデータの正確性のレベルを体感できる例に直面できましたので、今後このデータベースを利用する際にはそれを踏まえたいと考えます。

また小字検討の重要局面では千葉市域に関しては「絵にみる図でよむ千葉市図誌 下巻」(千葉市発行)を必ず参照したいと思います。


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