1 千葉県陥し穴分布図の作成
次の図は千葉県陥し穴分布図です。
千葉県陥し穴分布図
データはふさの国文化財ナビゲーションによる
陥し穴分布図はこれまでの検討から単純に陥し穴の存在を示しているだけでなく、陥し穴罠猟とセットで行われていた追い込み猟の存在も示していると考えます。
つまり、陥し穴分布図とは狩猟分布図であると考えます。
このデータを時代別にみると次のようになります。
陥し穴の時代区分
時代情報が欠落している陥し穴データが多くなっていますが、陥し穴の大半は縄文時代のものであると仮定して検討を進めることにします。(ふさの国文化財ナビゲーションでは中近世の陥し穴である「シシ穴」は別項目として扱っています。)
そのように考えると、千葉県陥し穴分布図は縄文時代の千葉県狩猟分布図であると考えることができます。
2 旧石器時代遺跡分布図の作成と縄文時代との比較
縄文時代より以前の旧石器時代狩猟は旧石器時代遺跡分布図から判るものと考えます。
千葉県旧石器時代遺跡分布図
データはふさの国文化財ナビゲーションによる
旧石器時代遺跡は全て狩猟現場を指していると考えます。
ですから、千葉県旧石器時代遺跡分布図は旧石器時代の狩猟分布図であると考えます。
旧石器時代と縄文時代の狩猟分布図を比較すると千葉県の北部では(つまり下総台地では)縄文時代の狩猟分布密度が薄くなっているように観察できます。
旧石器時代には千葉県中央部から北部にかけて狩猟が盛んにおこなわれていた状況と比べて、縄文時代には千葉県中央部に狩猟が集中していく様子を読み取ることができます。
恐らく旧石器時代の狩猟人口(つまり全人口)と動物の関係では生まれていなかった動物のオーバーキルという問題が縄文時代には発生して、狩猟好適地が減少したのだと考えます。
千葉県中央部付近の縄文時代陥し穴分布図と旧石器時代遺跡分布図を示すと次のようにな
ります。
データはふさの国文化財ナビゲーションによる
データはふさの国文化財ナビゲーションによる
同時に子細に比較すると旧石器時代には狩猟が行われていたけれども縄文時代には狩猟が行われなくなった地域も部分的に見られます。
次の記事で点分布図をヒートマップ(面分布図)に変換してより分布変化をより客観的に観察してみます。
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