西根遺跡は小グリッド分析の必要に迫られ、学習ツールとしてのGISを地図太郎PLUSからQGISに引っ越しました。
2017.06.15記事「西根遺跡 QGISにおける小グリッド(ポリゴン)作成」
大膳野南貝塚の学習は再開して少しずつカンが戻り新たな興味もいろいろ生まれいろいろな記事を書きたくなりました。
そして学習で気が付いたことを分布図として表現しようとしたのですが、GIS上の作業をする必要があります。
その時、このまま地図太郎PLUSで作業を進めると早晩壁にぶつかることに気が付きました。
そこで学習再開のこの機会をとらえて、大膳野南貝塚も学習ツールとしてのGISをQGISに移行することにしました。
この記事ではQGIS引っ越しの理由をまとめておきます。
1 QGISでは多数ファイルを作成する必要がない
次の画面は地図太郎PLUSで大膳野南貝塚の竪穴住居の位置をプロットしたものです。
地図太郎PLUS 大膳野南貝塚 竪穴住居
単純に竪穴住居全部をプロットするだけなく、時期別分布、面積別分布、平面形別分布なども表現する必要があります。
このような表現をする場合、次のようにレイヤ別にファイル(csvファイル)を作成してそれを地図太郎PLUSにとりこむ必要があります。
地図太郎PLUSのレイヤー例
レイヤーの数は膨大になりますのでこれをいちいちファイル作成取り込みするのは大変な手間です。
ところがQGISでは属性テーブルを操作して表示・非表示、任意の分級、記号や色の指定が演算子を使って自由にできます。それらのファイルを作成していちいち取り込む必要がありません。
作業の効率化が段違いです。
何度も作業をし直すことができます。
作業の効率化が段違いであるということは、発想力・思考力が強化されることに連動します。
2 QGISでは高度な分析ができる。
以前からヒートマップ(ラスタ)や空間演算ツール(ベクタ)を使ってきていますが、QGISには解析ツール、調査ツール、ジオメトリツール(以上ベクタ)や地域統計、地形解析(以上ラスタ)など多数のツールがあります。
また、プラグインで多方面へ機能拡張できます。
QGISでは図面の重ね合わせだけでなく、強力な分析ができます。
この機能は残念ですが地図太郎PLUSにはありません。
3 位置正確性
地図太郎PLUSにおける遺構分布図プロットはどうしても「名人芸」になります。他の地物と画像を「手の操作で合わせる」作業(拡大縮小・回転・移動…)になります。
QGISのジオリファレンスは座標を入力することが可能です。また他の地物と合わせるにしても、画像を「手の操作で合わせる」作業は必要としません。
大変正確にできます。
QGISと地図太郎PLUSのジオリファレンス比較
最大4mほどの誤差があります。
QGISと地図太郎PLUSのジオリファレンス
QGISによるジオリファレンスは座標通りとなりましたが地図太郎PLUSによるジオリファレンスは限界があります。
なお、この程度の位置誤差は学習するためにはあまり気にすることはないと割り切ることもできます。
しかしQGISに引っ越すからには、より正確な地図で学習できることを楽しみます。
今後はQGISをメイン、地図太郎PLUSをサブとして使っていくことにします。
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