大膳野南貝塚後期集落の出土物による竪穴住居検討 12
竪穴住居から出土する装身具について観察します。
1 竪穴住居からの装身具出土状況
竪穴住居からの装身具出土状況 大膳野南貝塚発掘調査報告書から竪穴住居分だけ抜粋引用
発掘調査報告書では貝製垂飾のうちイモガイ・ツノガイは房総半島南端産、テングニシは九十九里産であると想定しています。
主な装身具 大膳野南貝塚発掘調査報告書から引用 竪穴住居以外からの出土分を含む
2 時期別にみた竪穴住居からの装身具出土状況
2018.01.18記事「石器多出竪穴住居の検討」で石器出土が多い竪穴住居について検討し、それらの竪穴住居が集落始祖や集落リーダーに関連していることを推察しました。
この検討で作成した時期別石器多出竪穴住居分布図に装身具出土状況を追記してみました。
称名寺式期前後期石器多出竪穴住居
(貝塚形成集落)
堀之内1式期石器多出竪穴住居
(貝塚形成集落)
堀之内2式期石器多出竪穴住居
(貝塚形成集落)
堀之内2式期~加曽利B1式期石器多出竪穴住居
(貝塚は形成していない)
3 考察
全ての時期で石器多出竪穴住居から装身具の出土があるだけでなく、その出土量が多いことが判明しました。
これは石器多出竪穴住居が廃絶した時、その家族(故人)を偲んで供えられたものの中に貴重な装身具が含まれていたということであり、その家族(故人)が着装していたものの可能性もあり、その家族(故人)が集落のなかで重きをなしていたことを表現していると考えることができます。
2018.01.18記事「石器多出竪穴住居の検討」で検討した事柄、つまりそれらの竪穴住居が集落始祖や集落リーダーに関連しているということの確からしさが強まりました。
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