私の散歩論

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2018年7月8日日曜日

漆喰炉に漆喰が堆積している理由

漆喰炉に漆喰が堆積している理由が判りましたのでメモしておきます。

1 漆喰炉造成当初の炉体と燃焼面
1-1 屋内漆喰炉

屋内漆喰炉の炉体と当初の燃焼面 大膳野南貝塚発掘調査報告書掲載情報から作成
屋内漆喰炉はローム・焼土粒・漆喰を捏ね合わせた硬質材が素材となっていて、耐火性を考慮して作られているものと考えられます。漆喰炉造成当初の燃焼面は炉体表面であったと考えられます。漆喰は炉の使用に伴い二次的に生成されたと考えます。

1-2 屋外漆喰炉

屋外漆喰炉の炉体と当初の燃焼面 大膳野南貝塚発掘調査報告書掲載情報から作成

屋外漆喰炉の漆喰堆積の様子 大膳野南貝塚発掘調査報告書掲載情報から作成
屋外漆喰炉の炉体は土・漆喰・貝殻を素材とした材で作られ、強い耐火性を備えたものであると考えます。漆喰炉造成当初の燃焼面は炉体表面であったと考えられます。漆喰は炉の使用に伴い二次的に生成されたと考えます。
屋外漆喰炉には漆喰を掘って埋甕をして、それを固定具として大型土器を固定して料理をしたと考えられます。埋甕内にも漆喰が堆積し、これも埋甕使用に伴い二次的に生成されたものと考えます。

2 漆喰炉内に漆喰が堆積した理由
2-1 屋内漆喰炉

屋内漆喰炉に漆喰が堆積した理由
炉内に小型土器を置いて調理する場合、土器を埋めて安定させる材に破砕貝パウダーが使われ、そのパウダーが調理のプロセスで熱せられ、煮こぼれの水分を吸って漆喰に変容して、それが底や壁に溜まっていったと考えられます。その結果調理をすればするほど炉に漆喰が溜まり炉が浅くなったと考えられます。

2-2 屋外漆喰炉

屋外漆喰炉に漆喰が堆積した理由
大型土器とそれを固定するための固定具(埋甕)の間に破砕貝パウダーを充填して土器の安定を図ったと考えます。パウダーは熱っせられ、煮こぼれの水分を吸って漆喰に変容し、最後には埋甕を漆喰で充満させてしまい、次の埋甕が設置されたと考えます。

3 考察
漆喰が堆積すると炉が浅くなるという問題は生まれますが、漆喰は耐火性がありかつ純白性は熱で失われないので、炉の象徴性・聖性を保持する上で漆喰炉は好都合であり、好まれて使われたものと考えます。
屋内炉で破砕貝パウダーが使われ結果として(二次的に)漆喰が堆積したということが事実ならば、それは土器を常時炉内において調理等に使っていたことを示唆します。小林達雄が言うほどに調理機能が低かったのではなく、逆に土器を使った調理が炉のメイン機能だったことを暗示しているようにも考えられます。

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