縄文土器学習 190
土器形式別出土遺跡分布図を作成しています。この記事では安行3式土器細分の分布図を作成しました。
1 安行3式土器細分毎の統計
安行3式土器出土遺跡103のうち70(68%)遺跡が細分情報として記載されています。
千葉県 安行3式土器出土遺跡 細分情報の有無
この細分情報をグラフにすると次のようになります。
千葉県安行3式土器細分情報別出土遺跡数
安行式土器は安行1式→2式→3式と遺跡数が減少しますが、細分情報でも3a式→3b式→3c式→3d式と減少します。このことから安行式期の社会の縮小が継続的かつ定常的に進行したことが判ります。
2 安行3式土器細分情報毎の遺跡分布
安行3a式土器出土遺跡分布図
安行3a式土器出土遺跡分布ヒートマップ
Bエリアに遺跡密集地があります。
安行3b式土器出土遺跡分布図
安行3b式土器出土遺跡分布ヒートマップ
最大の遺跡密集地はAエリアになります。
安行3c式土器出土遺跡分布図
安行3c式土器出土遺跡分布ヒートマップ
最大の遺跡密集地はAエリアとなります。
安行3d式土器出土遺跡分布図
安行3d式土器出土遺跡分布ヒートマップ
安行3a式土器から3c式土器に遺跡密集地がBエリア→Aエリアに移動した様子が判ります。
3 分布重心の変化
安行3a式から3d式の遺跡分布重心をプロットすると次のようになります。
安行3a,3b,3c,3d式土器出土遺跡分布重心の西遷
安行3a式から3d式土器にかけて出土遺跡分布重心が西遷する様子が確認できます。
安行1式→3式では遺跡密集域が東遷し、3a式→3c式で西遷し、3a式→3d式では遺跡分布重心が西遷します。つまり安行式期内で遺跡分布密集域が振り子のように移動しています。
この分布変化は武蔵野台地や相模野台地を主部とする関東地方全域における縄文社会分布域拡大縮小というダイナミックな変動があり、そのダイナミック変動の千葉県域だけを切り取って見ているのだと想定します。
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