私の散歩論

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2019年8月30日金曜日

阿玉台Ⅳ式深鉢形土器の3Dモデル観察

縄文土器学習 249

鎌ヶ谷市郷土資料館に展示されている阿玉台Ⅳ式深鉢形土器(根郷貝塚J5号住居跡)の明るい観察記録3Dモデルが出来ました。
ブログ「花見川流域を歩く番外編」2019.08.30記事「3Dモデルで暗い(黒い)土器表面を明るくする方法
そこで、まずその形状をじっくり観察しました。出土遺構や出土遺跡の学習は追って行います。
このような大きな把手のついた土器は自分にとって初めての実物観察です。

1 3Dモデルによる観察

正面A 観察記録3Dモデル

正面Aと同じ写真
「千葉県の歴史 資料編考古1(旧石器・縄文時代)」から引用
土器を地面においた時「正面」という概念は縄文人にも存在していたと考えられます。その正面がどこであるか判定することは大切であると考えます。
この土器の正面はこのAか次のBのどちらかになると考えますが、口縁に存在する2連の丸い穴を正面から見た姿がこの土器の縄文人が設定した「正面」であると考えます。

正面B 観察記録3Dモデル

正面Bと同じ写真
「鎌ヶ谷市史 資料編Ⅰ(考古)」から引用

正面Bと同じ向きの挿図
「千葉県の歴史 資料編考古1(旧石器・縄文時代)」から引用
背中合わせに2連となっている口縁部丸い穴は一つの引き離せない造形と考えますので、この正面Bは縄文人が「正面」をどのように考えていたかということを考慮しない図柄であると考えます。

上から 観察記録3Dモデル
3つの把手と2連丸い穴の出っ張りがそれぞれ近似正三角形をつくり、それが重なった図柄となっています。

上から の図柄

下から 観察記録3Dモデル
把手を載せる口縁部は近似正六角形になっています。

下から の図柄

2 感想
・正面Aが縄文人設定の「正面」であると推測することができました。
・正面Aの図柄をみると自分には次のような構成として観察できました。

正面Aの構成
大きな目玉とその両脇に大きな耳(把手)があり、とおくに尾(羽)があり、手前胴部の中央は腹、その両脇は折りたたんだ翼のように見えてしまいます。フクロウのような印象を受ける造形です。

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阿玉台Ⅳ式深鉢形土器 根郷貝塚J5号住居跡 観察記録3Dモデル 4(露出変更)
撮影場所:鎌ヶ谷市郷土資料館
撮影月日:2019.08.23
ガラス面越し撮影
3Dモデル写真測量ソフト 3DF Zephyr で生成 v4.507 processing 63 images



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