私の散歩論

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2019年8月8日木曜日

千葉県縄文遺物J1グランプリ2019

市立市川考古博物館を訪問した際、縄文遺物J1グランプリ2019のポスターをみました。縄文学習初心者にとって興味深い、見慣れない遺物写真が満載であり、興味深いので写真を撮りました。また同じ画面のチラシも入手しました。
楽しいイベントです。
33の縄文遺物の人気投票と縄文キャラクター募集2本立てのイベントです。

千葉県縄文遺物J1グランプリ2019 ポスター
これらの縄文遺物は次年度に千葉県立中央博物館で展示されるようです。

このポスターを使って遊んでみました。

1 自分が見たことある遺物
33の遺物のうち見たことがあるものは3注口土器(市立市川考古博物館)、4バイオリン型土偶(飛ノ台史跡公園博物館)、5深鉢(松戸市立博物館)の3点だけでした。3点は観察記録3Dモデルを作成してあります。
千葉県には珍しい、宝物的価値のある縄文遺物が多数あることに感心します。

2 はじめて気が付いた遺物
石冠というタイプの遺物があることにこのポスターではじめて知りました。WEBでしらべると印西市の遺跡から出土していて、儀器のようです。またヤシの実製漆塗り容器があります。黒潮に乗って流れ着いたヤシの実を素材にした漆製品のようです。このような製品が存在することをこのポスターではじめてしりました。両方の遺物ともに見たくなります。

3 特段に見たいと感じる遺物
2と18のイノシシ形土製品、11の手燭形土製品、19の香炉型顔面付土器などは特段に見たいという意欲が湧く遺物です。

4 感想
千葉県市町村の各教育委員会から出品(?)された33の縄文遺物を通覧すると縄文後期晩期の祭祀に関わる遺物が多いように感じます。土偶・土製品、石棒、顔面付土器など。
祭祀に関わる遺物は現代人からみてその使い方や伴う感情・思考が判らないので、珍品であり無意識的な「怖いもの見たさ」的興味や不可解を楽しむ興味も加わるとおもいます。
日常生業生活の道具は珍品とか宝物にならないので出品(?)がすくないようです。「かそりーぬ」などと興味が被らないような興行的(?)忖度もあったかもしれません。

5 自分なら何を縄文遺物グランプリに輝かせるか?
33の出品物からはなれて、千葉県縄文遺物全部を対象にして、自分なら何を千葉県を代表する遺物とするか仮想してみました。
縄文衰退期の遺物は縄文を代表するものにはしたくありません。
はつらつとした、希望にみちあふれていた縄文発展期か爛熟期の遺物を選びたくなります。
そうすると加曽利E式土器を頂点とする時期の製品とか、加曽利B式土器を頂点とする時期の製品になります。
思い切って1点だけ選ぶとするならば、縄文時代絶頂期の成長・多収穫を象徴する、社会組織充実性を象徴する加曽利EⅡ式巨大土器をあげることにします。

加曽利EⅡ式巨大土器
加曽利貝塚博物館企画展「あれもE これもE -加曽利E式土器(千葉市内編)-」展示

1枚のポスターから思考をあれこれ膨らませて楽しむことができました。

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