私の散歩論

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2020年1月23日木曜日

加曽利E式土器学習の方針

縄文土器学習 319

加曽利貝塚博物館企画展「あれもE これもE ―加曽利E式土器(印旛地域編)―」(2019.11.16~2020.03.01)の前半展示と後半展示土器を観覧観察し、前半展示は全て3Dモデルを作成しました。後半部分の3Dモデル化もすぐにできそうです。したがって、室内詳細観察が可能となり、効率的に学習ができます。
昨年企画展(千葉市内編)の写真撮影もほとんどしていますので、学習素材はかつてなくそろえることができました。
そこで、3月一杯くらいまでを目途にして加曽利E式土器の学習をすることにします。情報が豊富な加曽利E式土器の学習に自分レベルで「本格的」に取り組むことにより、他の時期や他の場所での縄文土器観察学習が容易になるのではないかと期待しています。
この記事では加曽利E式土器学習の方針をメモします。

1 加曽利E式土器学習の目的
・昨年と今年のE式企画展展示土器について、土器器形・模様等を観察し、それと細分(EⅠ~EⅣ)基準との関係がどのようなっているのか、(細分基準※がどのように当てはめられているのか)確認します。
・その確認作業に必要な知識を習得するための学習を行い、加曽利E式土器や縄文土器一般に関する基礎知識を習得します。
※細分基準:加曽利貝塚博物館の細分基準=史跡加曽利貝塚総括報告書の細分基準

2 学習項目
2-1 展示土器の観察と細分適用の確認
・展示土器の観察(3Dモデル、写真、展示会場)と細分の確認を個別土器毎に行い、気が付いたこと、興味を持ったこと、疑問や不明点等をメモします。
・細分基準、土器の利用・機能、土器の地域性等の視点から土器を分類するために、土器を数量的に把握することとし、そのために器形や模様等の要素を抽出して計測可能になるよう指標化します。(大きさ、容量、くびれ度、縄文の大きさ、装飾の状況、受け口の有無…)
・土器寸法計測では3DF Zephyr Liteの計測機能を利用します。
・展示土器の器形や模様等の指標を計測して、細分基準適用の確認について考察します。同時に細分基準とは全く別の分類について予察的に検討します。(利用・機能に関する分類、…)
・観察や考察の結果のわかりやすい表現のために内田裕治式土器展開写真作成、3Dモデルの動画化、アノテーション追記などを行います。
・展示土器が記載されている発掘調査報告書の土器記載情報を学習に活用します。
●学習素材
会場展示土器、撮影写真、3Dモデル
発掘調査報告書
●学習基準
企画展パンフレット
●関連学習ツール
3DF Zephyr Lite(3Dモデルの計測)

昨年E式企画展パンフレットの加曽利E式土器細分基準 追記

2-2 展示土器出土遺跡の学習
・展示土器出土遺跡そのものを簡潔に学習します。その分布位置等や近隣遺跡の状況を確認します。
→房総における加曽利E式土器の地域的差異がどのようなものであるのかという視点からの確認、学習。
●学習素材
発掘調査報告書(図書館での閲覧)
関連して 私家版千葉県遺跡データベース

2-3 加曽利E式土器の細分に関する学習
・土器細分について記述論文や図書等についてその細分基準について学習し、加曽利貝塚博物館の細分基準との相違について確認します。
●学習素材
総覧縄文土器、縄文土器大観、日本土器事典等

2-4 縄文土器一般に関する学習
・縄文土器の器形分類と利用・機能等に関する知識習得学習に努めます。
●学習素材
総覧縄文土器、縄文土器大観、日本土器事典等

2-5 特論学習
・非在地系土器研究論文を学習し、非在地系土器の分布について確認します。
●学習素材
千葉県教育振興財団文化財センター研究紀要26大内千年「第3章中期の非在地系土器-房総半島におけるいわゆる曽利式系土器について-」

3 摘要
学習のメインはあくまでも「2-1展示土器の観察と細分適用の確認」とし、その学習を通しで全部やりきることに注力します。他の興味は仮にできなくても後日の課題として残します。

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昨年度と今年度企画展の展示土器

加曽利EⅠ式土器(上段昨年度展示、下段今年度展示)

加曽利EⅡ式土器(上段昨年度展示、下段今年度展示)

加曽利EⅢ式土器(上段昨年度展示、中下段今年度展示)下段左端3点は注口土器

加曽利EⅣ式土器(上段昨年度展示、下段今年度展示)

注口土器(今年度展示)

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