2020.07.17記事「山形土偶(地母神)の体の刻まれ方」で3Dモデル観察した山形土偶と一緒に展示されているミミズク形土偶を3Dモデル観察しました。
1 みみずく形土偶(千葉市加曽利貝塚) 観察記録3Dモデル
みみずく形土偶(千葉市加曽利貝塚) 観察記録3Dモデル
縄文後期安行2式、千葉市加曽利貝塚南貝塚史跡整備第2調査区
撮影場所:加曽利貝塚博物館 常設展
撮影月日:2020.07.14
ガラス面越し撮影
3Dモデル写真測量ソフト 3DF Zephyr で生成 v5.001 processing 37 images
展示の様子
特殊モード写真
2 口から血しぶきが噴き出る様子
口から血しぶきが噴き出る様子
刺突文で表現されているものはすべて殺された地母神(みみずく土偶)から噴き出る血しぶきであると観察しました。
口から伸びる左右に伸びる刺突文3本線は入れ墨ではなく、噴き出る血しぶきであると観察します。鼻から口に下る2本線も鼻血、目の周りと耳の周りも噴き出る血しぶきであると観察します。
首の周りの2本線は首が体から切り離されて血が噴出している様子を、頭の周りの2本線も頭蓋骨が壊れて血が出ている様子を表現していると観察します。
3 感想
ミミズク土偶は地母神を最も残酷な方法で殺害し、その体を食ってしまうほどの無慈悲な心情を土偶に表現しています。その土偶を実際に五体バラバラに破壊し、各所に投棄することによって模擬殺人、模擬死体解体、模擬食人を体験しています。その恐ろしい体験が土偶祭祀の本質であると想像します。恐ろしい模擬体験のなかで食糧多収穫や諸願成就を目的とする祈願行為が行われたと想像します。
【余分な一言】
表面的知識しか持ち合わせていない現状での感想ですが、アイヌのイオマンテは土偶祭祀と類似の祭祀であると感じています。地母神(土偶)をクマ(など動物)に置き換えていますが、残酷な方法でクマをいたぶり苦しめて最後に殺し、食ってしまいます。クマ(クマの姿をした神)は天界に帰り再び肉と毛皮をたくさん持って人間界を訪れます。地母神神話と似た構造があります。
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