私の散歩論

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2020年8月14日金曜日

サンダル状土製品の巨大意義に突然気がつく

 縄文土器学習 448

1 はじめに

千葉市埋蔵文化財調査センター展示室に展示されている千葉市内野第1遺跡出土のサンダル状土製品の巨大意義について突然気がつきましたので、メモします。

2020.02.04にこのサンダル状土製品を初めて見た時は何か気がかりになりましたが、そのまま今日まで来ました。ところが縄文時代「皮なめし」について考えだしたところ、このサンダル状土製品を思い出し、それが皮革製品のミニチュアであるとの直観を得ました。もし皮革製品のミニチュアであることが証明されれば、出土物がほとんどない縄文皮革製品の重要情報が現代にもたらされることになります。

2 サンダル状土製品

サンダル状土製品

サンダル状土製品(特殊モード撮影写真)

サンダル状土製品実測図

千葉市内野第1遺跡発掘調査報告書から引用

つま先部分に孔が貫通していて、鼻緒がついていることを表現していると考えられます。

土製品に革ヒモで鼻緒をつけてミニチュアを完成させていたと考えます。(土製品として鼻緒をつくることは困難であるから。)

3 参考展示状況3Dモデル

サンダル状土製品を含む展示状況3Dモデルがありますので、参考に掲載します。

内野第1遺跡コーナー付近 展示状況3Dモデル

撮影場所:千葉市埋蔵文化財調査センター

撮影月日:2020.02.04

ガラス面越し撮影

3Dモデル写真測量ソフト 3DF Zephyr で生成 v5.003 processing 112 images

3Dモデルの動画

4 メモ

次のような問題意識が「妄想レベル」ですが発生しました。

ア サンダル状土製品は革製サンダルのミニチュアか

サンダル状土製品が革製サンダルのミニチュアであるのかどうか、確かめることが先決問題です。

鼻緒のついたサンダルのミニチュアであることは間違いないと考えます。

土製品の様子から、原品の素材は草や樹皮などではなく、革製であるように素人観察できます。

イ 革製サンダルミニチュア出土の意義 1 革製品製造の証拠

革製サンダルミニチュア出土と理解すると、内野第1遺跡で皮なめしが行われ、革製品がつくられていたことの可能性が濃厚になります。内野第一遺跡が狩猟関連遺跡であったことになります。

ウ 革製サンダルミニチュア出土の意義 2 革製サンダルが特産品

革製サンダルのミニチュアを土製品でつくるくらいですから、革製サンダルや各種革製品が内野第1遺跡の特産品(交易用製品)であった可能性があります。

交易用製品として革製サンダルを作る場合、その付加価値増大を目指して、軽い・丈夫・使いやすい(足にフィットする)などの工夫が凝らされ、ブランド性を増大させ、有利な交易を目指していたと想像します。

エ 革製サンダルの用途

想像に想像を重ねますが、革製サンダルは実用品以上の製品をつくっていたのかもしれません。そのミニチュアをつくるくらいですから単なる一般実用物ではなく、集落リーダー専用とか、階層が上の人々専用とか、祭祀活動専用とかの特別な利用に供する特殊専門製品だったのかもしれません。ステータスシンボルとか祭祀執行に不可欠な品だったのかもしれません。

オ 革製サンダルミニチュアをつくった意味 1 看板や屋号としての意味

特産品としての革製サンダルミニチュアを作り、それを外来者が訪れる場所(来訪者と座談する建物など)に置いて、内野第1遺跡の特産品をアピールしていたのかもしれません。現代風にいえば、看板とか屋号に類する機能を持たせたのかもしれません。

カ 革製サンダルミニチュアをつくった意味 2 趣味心

特産品の革靴のミニチュアをつくり、趣味心として住居内に飾っていたのかもしれません。同じ土製ですが、神話にもとづく祭祀実用品である土偶とは全く異なる意味としての趣味心製品だったのかもしれません。現代風に言えばミニカー集めとか切手収集と同じレベルの趣味心です。


次のような学習作業レベルの問題意識も発生しました。

キ 内野第1遺跡の遺構遺物に皮なめしに関連する出土物はあるか

ク 展示サンダル状土製品の望遠撮影による3Dモデル作成と観察

ケ サンダル状土製品に類似する土製品出土に関する検索

コ 2列の落し穴列とサンダル状土製品の関係

2列の落し穴列は縄文早期で、サンダル状土製品(後晩期)とは無関係か。

サ 後晩期の狩猟はどこで行っていたのか

長沼周辺の可能性?

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