縄文社会消長分析学習 104
有吉北貝塚発掘調査報告書掲載発掘状況写真120点を分析・観察し始めます。この記事では最初の4点を観察します。
1 有吉北貝塚付近の開発前状況
発掘調査報告書掲載写真観察に入る前に、開発前の有吉北貝塚付近の状況を空中写真から把握します。
有吉北貝塚付近の開発前状況地理院地図1961年~1969年の空中写真
地形DEMは千葉市1960年代都市図等高線から作成(QGIS、GRASS)
垂直倍率:×3.0
3DF Zephyr v6.002からSketchfabにアップロード
空中写真(地理院地図1961年~1969年の空中写真)
北斜面貝層は周辺高木の影で黒くなっています。この写真状況から開発前の北斜面貝層は灌木地としての土地利用であったと判読できます。おそらく薄い表土の下に貝層があるため高木が育ちにくい土壌環境が存在していたのではないかと想定します。
2 遠景
遠景
有吉北貝塚発掘調査報告書から引用
遠景(カラー化)
Photoshopニューラルフィルター機能利用による半自動カラー化。(以下同様)
表土が剥がされて貝層上限があらわれたころの北斜面貝層発掘現場遠景であると推測します。
地形3Dモデルによる風景
表土が剥がされた状況の等高線から作成したDEMによる地形3Dモデルによる風景です。(ピンクが貝層分布、垂直倍率3倍)
3 貝層上面検出状況
貝層上面検出状況
有吉北貝塚発掘調査報告書から引用
貝層上面検出状況(カラー化)
貝層の北側(下流側)が写っています。
地形3Dモデルによる風景
表土が剥がされた状況の等高線から作成したDEMによる地形3Dモデルによる風景です。(ピンクが貝層分布、垂直倍率3倍)
4 作業風景1
作業風景1
有吉北貝塚発掘調査報告書から引用
作業風景1(カラー化)
発掘作業が途中まで進行した状況の風景です。
地形3Dモデルによる風景
貝層下限等高線から作成したDEMによる地形3Dモデルによる風景です。(ピンクが貝層分布、垂直倍率3倍)
5 作業風景2
作業風景2
有吉北貝塚発掘調査報告書から引用
作業風景2(カラー化)
発掘作業状況写真です。作業風景1より発掘が進んでいます。
地形3Dモデルによる風景
下総層群上面等高線から作成したDEMによる地形3Dモデルによる風景です。(ピンクが貝層分布、垂直倍率3倍)
この写真に写っている人物に赤丸を付けてみました。
作業風景2に写っている人物
33名の方が発掘、測量、機械操作等に従事しています。ほとんどが姉さん被りの女性で、その中にヘルメットをかぶった数人の男性が見えます。10近くの断面(露頭)で同時に作業が行われているようです。
6 感想
北斜面貝層の発掘現場はもとより、北斜面貝層地形も現在は存在していませんが、発掘調査報告書掲載写真と地形3Dモデルから現場状況を紙上体験することができました。
北斜面貝層の様子が徐々にですが、感覚的に自分の記憶の一部に溜まりつつあります。
7 参考 有吉北貝塚 開発前地形と開発後地形 3Dモデル
有吉北貝塚 開発前地形と開発後地形 3Dモデル【開発前地形】
DEM:1960年代千葉市都市図等高線からGRASSGISで生成(2mメッシュ)
垂直倍率:×3.0
表示:1960年代千葉市都市図+標高色別、有吉北貝塚調査区域(青線)
【開発後地形】
開発後地形DEM:国土地理院5mメッシュDEM(2020年12月ダウンロード)
垂直倍率:×3.0
表示:国土地理院全国最新写真(平成28年)、有吉北貝塚調査区域(青線)
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