私の散歩論

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2021年7月21日水曜日

切手de考古学

 1 切手の博物館企画展「切手de考古学」

以前、Twitter坂下貴則【日本人の考古学】さんのツイートで知った「世界各国考古学切手800点展示」の企画展「切手de考古学」(切手の博物館)の観覧の機会を得ることができました。


企画展の看板


切手の博物館入り口から(正面が企画展会場)

切手という媒体で世界の考古学遺物や関連事象などを見る機会はいままでほとんどありません。800という多数切手が体系的に整理されているので、とても見ごたえのある企画展です。自分にとってはとても珍しいものをみて得をした感じです。新鮮な印象を心に持てるので若返ったような感じを得ることができました。web検索では世界の遺物・遺跡をかなりみたことがあります。また旅行で実際に訪問し実見した類似遺物・遺跡もかなりあります。しかし、切手という極小空間にその情報が収まるとまた別の印象をうけるので不思議です。

残念ですが写真撮影不可で展示の様子は記憶に刻み込むしかありません。またA4で4ページの解説資料は配布されていますが、図録はありません。


企画展配布資料の一部

なお、切手の博物館ホームページには解説動画が3本掲載されていて、展示の様子雰囲気を知り、短い解説を聞くことができます。

2 成果の消失は残念

係の人にお話を聞くと、博物館学芸員と職員の方々が収集してある何十万もの切手のなかからいわば人海戦術で考古学関連切手を探し出し、その解説を学芸員の方が文献等を調べて書いたとのことです。考古学関係との特段のコラボレーションは無いとのことです。展示期間(~8月1日)を過ぎると企画展「切手de考古学」の成果が世の中から消失してしまうので、もったいないことです。いくら切手原本はストックブックの奥深くに再び収納されるとはいっても、考古学という軸で実行されたコレクションの存在は無になります。もったいないことであると感じました。

3 考古学関連切手の購入

売店で世界の考古学関連切手が販売されていたので購入しました。購入切手に描かれた遺物・遺跡をみると、訪問して実見した遺物・遺跡はますます興味が深まりますし、まだいったことのない遺跡や実見していない遺物はいつかは見たいという気持ちが高まります。


メキシコ チチェン・イッツア ピラミッドなど

この遺跡は訪問したことがあるので、この切手を一つのネタにして、近々ブログ「世界の風景を楽しむ」の記事を書くことにします。


フランス ラスコー洞窟

以前ラスコー展が日本で開かれたと思うのですが、見逃しています。


ナミビア トゥウェイフルフォンテーンの岩石線画群(無額面切手)

ナミビアの岩石壁画のある岩体についてはブログ「世界の風景を楽しむ」で何回も記事にしています。ブログ記事に書いてそれで満足するのではなく、やはり1度は実際に足を運んで、砂漠、岩体、壁画をこの目でみたいと思います。


国連 アルゼンチンの世界遺産リオ・ビントゥラスのクエバ・デ・ラス・マノス

多くの手の跡が残された洞窟壁画です。最近TV旅行番組でも見ました。多くが左手で、利き手の右手で顔料を持っていたようです。この遺跡はぜひとも人生残時間内に訪問したいです。

4 感想

考古学関連切手を購入してみると、自分の考古学習・考古趣味を強く刺激したことを実感できました。おそらく考古遺物収集の代償行為なのだと思います。

出土土偶や土器そのものの収集は不可能です。しかし興味があるので、なんとしてでもコレクションして手元に置きたいと思います。一方レプリカはつまらないと思います。それならフォトグラメトリーで3Dモデルをつくり、手元に置き、収集したいと考えたのが3年程前です。この3Dモデル作成趣味と類似の趣味が、まさに今日、切手で生まれたようです。

自分の心の奥底にはおそらく世界の考古遺物を直接収集して手元に置きたいという願望があるのだとおもいます。しかし、それを実行することは最初から不可能であり、意識に上ることはありません。ところが現物ではなく対象を切手に移動すると、その収集はいくらでも可能であり、保管場所の心配もありません。世界の遺物を手元において自己満足することができます。切手を軸にして考古学習・考古趣味活動を加速することが可能になります。


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