私の散歩論

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2022年5月22日日曜日

加曽利E式土器 入組系横位連携弧線文土器

 Kasori E type pottery  Horizontal cooperation arc line pottery


Of the 22 Kasori E type pottery, I arranged a 3D model front ortho-projection image and a pattern diagram developed with the GigaMesh Software Framework to give an overview of the transition of the intricate horizontal cooperation arc line pottery. There is an example of the pattern reversal transcription of the horizontal cooperation arc line pattern of the enrollment system in the Syomoji type pottery.


加曽利貝塚博物館令和3年度企画展「あれもE…」展示土器のうち入組系横位連携弧線文土器について、3Dモデル正面オルソ投影画像とGigaMesh Software Frameworkで展開して作成した文様図を並べてその変遷を概観しました。称名寺式土器に入組系横位連携弧線文の文様反転転写の例があります。

1 入組系横位連携弧線文土器の集成


入組系横位連携弧線文土器

各土器画像資料の左は3Dモデル正面オルソ投影画像、右はGigaMesh Software Frameworkで展開した図に縄文施文域を緑色に塗色した画像です。


参考 22土器の中での入組系横位連携弧線文土器の位置

2 加曽利EⅣ式の入組系横位連携弧線文土器

2-1 加曽利EⅣ式深鉢(No.30)(千葉市餅ヶ崎遺跡)


加曽利EⅣ式深鉢(No.30)(千葉市餅ヶ崎遺跡)

波頂部に対応した場所に胴部全体に細長い弧線文が描かれます。弧線文の間には胴部上部に逆三角形状の文様が描かれます。

2-2 加曽利EⅣ式深鉢(千葉市加曽利貝塚)


加曽利EⅣ式深鉢(千葉市加曽利貝塚)

30番土器と同じパターンの文様をしています。土器器形は一見して口縁部波状突起はみられませんが、よく見ると4つの小突起が平滑な口縁部に付いています。入組系横位連携弧線文という文様を描くためには、例え平滑な口縁部であっても、小突起は必須要件だったようです。

2-3 加曽利EⅣ式深鉢(No.27)(千葉市餅ヶ崎遺跡)


加曽利EⅣ式深鉢(No.27)(千葉市餅ヶ崎遺跡)

この土器も30番土器と同じパターンの文様をしています。

3 加曽利EⅤ式の入組系横位連携弧線文土器

3-1 加曽利EⅤ式深鉢(No.39)(千葉市六通貝塚)


加曽利EⅤ式深鉢(No.39)(千葉市六通貝塚)

30番土器のパターンに胴部下部弧線文が追加されたパターンになっています。

3-2 加曽利EⅤ式深鉢(No.34)(千葉市餅ヶ崎遺跡)


加曽利EⅤ式深鉢(No.34)(千葉市餅ヶ崎遺跡)

30番土器と同じパターンの文様です。

3-3 加曽利EⅤ式深鉢(No.19)(千葉市上谷津第2遺跡)


加曽利EⅤ式深鉢(No.19)(千葉市上谷津第2遺跡)

30番土器と同じパターンの文様です。

4 称名寺式の入組系横位連携弧線文土器


称名寺Ⅰ式深鉢(No.11)(千葉市海老遺跡)

39番土器にみられる文様パターンを反転させた文様を描いています。


入組系横位連携弧線文の反転の様子

5 感想

胴部上下にわたる弧線文が小突起に対応し、逆三角形文様がその間を埋めることから、弧線文がメインのテーマ、逆三角形文は埋め草としての補助テーマと考えます。

入組系横位連携弧線文土器の文様変異の幅はあまりみられません。加曽利EⅣ式頃の定番文様の1つだったようです。この文様に対応した縄文人の観念(イメージとか物語とか)が存在していたに違いありません。それは意匠充填系土器や対向系横位連携弧線文土器に対応する観念とは異なっていたことは間違いありません。


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