私の散歩論

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2023年1月3日火曜日

花見川に関する学習

 Learning about the Hanami River


I decided to break from the stable Jomon study and embarked on Hanami River study with a sense of psychological instability and enjoy the situation.

First of all, I tried to think about what is the problem in learning Hanami River. I'm looking forward to seeing how the past learning and on-site experience will be useful.


昨年末、何の前触れもなく突然、花見川について学習せざるを得ない状況に直面しました。花見川は自分のブログ名にあるように、いわば自分のフィールドですから、この突然の状況に覚悟を決めて取組むことにしました。安定した縄文学習を破り、心理的不安定感を伴うこの状況を楽しむことにしました。当面有吉北貝塚北斜面貝層の学習と花見川学習を2本立てで楽しむことにします。

以前不遜にも花見川流域地誌をまとめてみようなどと、大それた野望を持ち、挫折したことがあります。この挫折体験を活かして、今回事態では、これまでの自分の花見川学習体験と得た知識を簡潔かつ総合的にまとめてみたいと思います。突然の状況を良い学習チャンス到来であると認識します。

この記事では自分が花見川を総合的に学習するうえで、何が問題であるか考えてみたいと思います。

1 花見川という実在を知る

まず、花見川の地理空間的実在を把握確認することが、学習の前提となります。この地理空間的詳細把握はこれまでのブログ活動で蓄積があります。


花見川流域の構成

2 治水利水面で花見川は印旛沼と切っても切れない縁にあることを知る

花見川が河川法上は印旛放水路(下流部)と呼ばれることに端的に表現されているように、花見川は印旛沼治水利水システムを構成する重要要素です。この治水利水面における花見川の重要性、特殊性を知る必要があります。

この学習では花見川に関する河川整備計画(「利根川水系手賀沼・印旛沼・根木名川圏域河川整備計画」(平成19年7月10日、千葉県))の理解が不可欠となります。


「利根川水系手賀沼・印旛沼・根木名川圏域河川整備計画」(平成19年7月10日、千葉県)掲載資料例

3 花見川の空間や自然が地域環境(健康、レクリエーション、自然共生など)にとって価値が大きなものであることを知る

花見川には樹林豊かな堀割空間や広々とした風景の中の公園空間があり、人々から散歩・ランニング・サイクリングなどの場として親しまれて、使われています。また、花見川には野鳥や魚が生息していて、人々の目を楽しませています。都市化の進展の中で貴重な自然環境となり、生態系を維持する上で価値の大きな空間となっています。こうした価値を詳しく知ることが大切です。

この学習では、自分は花見川流域をかなり歩いて体験的に獲得した情報が多いので、生き物やレクリエーションの専門家でないにもかかわらず、それを活用することが楽しみです。


花見川の素晴らしい風景

4 花見川にはとても濃い歴史が刻み込まれていて、興味を深めることができることを知る

4-1 印旛沼堀割普請の歴史を学ぶことで、現在花見川の真の価値を知ることもできる

印旛沼の水を東京湾に流す工事の歴史は享保9年(1724年)、現在から300年前からはじまり、昭和43年(1968年)、55年前に完成しました。江戸時代、明治時代、大正時代、昭和時代の約250年かかった事業であり、その歴史はとても興味深いものです。250年かかって完成した工事の歴史を知ることにより、現在花見川の価値、意義を深く知ることもできます。


印旛沼堀割普請に関する資料例

(以上の問題は資料も多く学習しやすいと思います。以下の問題はチャレンジャブルでマニアックで、偏屈な自分にピッタリです)。

4-2 原始・古代・中世・近代(印旛沼堀割普請以前)における花見川と社会とのかかわりを知ることに興味を持つ

花見川と人々のかかわりは堀割普請以前にも、奈良平安時代に東京湾と印旛沼をつなぐ交通路として利用された可能性や、縄文時代の河口津(大賀ハス・丸木舟出土など)など興味深いものが山積しています。しかし、花見川という切り口で整理された情報(スタンダードな情報、オーソライズされた情報)はほとんどありません。スタンダードな情報、オーソライズされた情報がなくても、豊かな歴史資料、発掘資料を活用して、花見川という切り口で情報を整理する開拓的学習を楽しんでみることも意義のある学習活動であると考えます。


以前の花見川学習で生まれた作業仮説 東海道水運支路仮説

5 花見川の特殊地形(河川争奪地形)を知る

印旛沼堀割普請に代表される印旛沼-東京湾ルート開発の背景に、花見川に存在する特殊地形(河川争奪地形)存在が大きな役割を果たしていることは確実です。従って花見川の河川争奪地形を詳しく理解することが大切です。その理解が花見川と人のかかわりを深く知ることにつながります。


花見川河川争奪(仮説)

6 花見川の境界機能について知る

花見川を学習対象物として捉えるだけでなく、社会のなかで花見川がはたしている境界機能に着目して社会や歴史をみることも大切です。

例えば、小金牧と六方野の学習、習志野演習場と下志津演習場の学習では花見川の境界機能について考えることにより、歴史をより深く理解することができると考えます。


花見川境界機能の例 小金牧と六方野


なお、この花見川学習に関連して次の活動にも取組みたいと思います。

●AdobeソフトInDesignの操作習熟

InDesign(illustratorライクなページ編集ソフト)の操作に習熟してページもの資料作成がスムーズにできるようになりたいと思います。


この学習で使う河川名称花見川は社会的通称です。河川管理者が使う名称は印旛放水路(下流部)です。河川名称花見川は次のような変遷で新たに生まれた吉祥名のようです。

検見川(けみがわ)(恐らく蝦夷戦争に関連して古代に発生した名称、江戸時代まで使われる)→華見川(けみがわ)、花見川(けみがわ)→花見川(はなみがわ)(明治前期ごろから、現在にいたる)

明治時代に渋沢栄一やお雇い外人技術者デレーケが登場して印旛沼開発が構想取組まれましたが、この一連の資料では花見川は登場せず、検見川が使われています。


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