私の散歩論

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2023年7月31日月曜日

有吉北貝塚北斜面貝層 発掘調査全原票の閲覧

 North Slope Shell Layer of Ariyoshi Kita Shell Mound

Browsing of all excavation records


I browsed all the original records of the excavation survey of the shell layer on the north slope of the Ariyoshi Kita Shell Mound and created a detailed list. A quick glance at the 450 A2 drawings and 4,200 pages of the antiquities ledger made me determined to use all this data to continue my studies.


有吉北貝塚北斜面貝層の発掘調査全原票を閲覧してその詳細リストを作成しました。450枚に及ぶA2図面、4200ページに及ぶ遺物台帳の全貌をざっと見て、この全データを利用して学習を進める決意が固まりました。

1 有吉北貝塚北斜面貝層 発掘調査全原票の詳細リスト作成

千葉県教育委員会の許可を得て、図面集(5編冊A2判図面450枚)と遺物台帳(14編冊A4判約4200ページ)を閲覧して詳細リストを作成しました。


発掘調査全原票閲覧の様子


図面集


A2図面


遺物台帳


遺物台帳のページ


図面集リストの概要

図面集は主に地山平面図(基底面地形図)、貝層分布図、セクション図(貝層断面図)、遺物分布図から構成されています。


遺物台帳リスト

2 メモ

2-1 貝層分布情報について

地山平面図および貝層分布図・セクション図があわせて286枚あり、詳しい注記が含まれているものが多数あります。この原票情報を利用すれば、北斜面貝層の3D分布実態を詳しく把握できることが直観できました。発掘調査報告書掲載情報からは決して得られない詳しい情報の存在に気が付くことができました。

2-2 遺物分布図について

遺物分布図が調査域について欠損なく全部揃っていることを確認しました。また今回のリスト作成により、特定メッシュ(遺構)を対象としたとき、それに関連する複数遺物台帳の抽出も瞬時にできるようになりました。

2-3 遺物台帳について

遺物台帳がメッシュ順番で欠損なく揃っていることを確認しました。

3 感想

有吉北貝塚北斜面貝層の学習を深めより一層楽しむために、次のようになプロセスをイメージしました。発掘調査報告書掲載情報に基づいた学習から、発掘調査原票に基づいた学習へ移行することを決意したということです。。

3-1 発掘調査全原票のスキャン

発掘調査全原票(図面A2判450枚、遺物台帳A4判4200頁)をスキャンしてパソコン内で利用できるようにします。

3-2 貝層3D分布モデル作成

地山平面図および貝層分布図・セクション図を解読・分析して、貝層分布を3D空間で詳しく表現するとともに貝層発達について理解を深めます。

3-3 土器現物閲覧による土器破片3D座標取得

土器現物全部を閲覧して、土器破片の遺構番号、遺物番号を調べ、その番号を手がかりに遺物分布図と遺物台帳から全土器全破片の3D座標を取得します。

3-4 貝層3D分布モデルと土器3D座標との対応分析

「3-2貝層3D分布モデル作成」結果と「3-3土器現物閲覧による土器破片3D座標取得」結果との対応分析を行います。北斜面貝層の貝層発達史の詳しい判明が期待できます。

3-5 貝層発達史情報と遺物3D座標との対応分析

3-4で判明した貝層発達史情報と遺物3D座標との対応を分析して、北斜面貝層利用史を解明します。

遺物3D座標は発掘調査報告書掲載遺物一覧表の遺構番号、遺物番号を手がかりに、遺物分布図と遺物台帳から調べます。

…………………

以上の活動により「出土土器・遺物と貝層の3D空間分布の見える化」が実現し、活動価値が向上すると考えます。2年間位の活動をイメージします。

4 当面の活動

発掘調査全原票のスキャンとその整理が終了するまでの期間は、発掘調査報告書掲載情報由来の貝層3Dモデルと土器3D座標の対応分析や関連技術開発を行い、上記3-4活動の予備調査とします。


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